Things I Didn't Know

BTSと韓国ミュージカルが好きです。

【BTS】リアリティ番組〈In the SOOP〉の感想を書いてみる

毎年秋頃のお楽しみになっているBTSリアリティ番組。外国で一週間ほどの旅をする〈BON VOYAGE〉が2016年から4年連続配信されていましたが、今年はコロナでできないな…と哀しく思っていた時に発表されたのが今回の〈In the SOOP BTS ver.〉

※ちなみに”SOOP”とは韓国語で「森(숲/スプ)」のこと。そのためこの番組を 🌳 と絵文字で表す人も多いです。

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▼Weverse Shopから購入できます

全8話+Behindパック(日本語字幕付き)で3,420円です。たった3,000円ちょっとで、BTSが仲良く食べて遊ぶヒーリング映像がなんと合計13時間分も楽しめるわけです。なんというありがたい商品…。

※2021年8月現在、動画配信サイト『dtv』でも視聴することができます。月額550円(初回無料)で観られてお得なのですが、Behindの配信がありませんのでご注意を。Weverse版はBehindだけで100分以上あるので、全部きちんと観たい方や、この先繰り返し観たい方は、Weverse版の購入をおすすめします!また字幕に関してもdtv版はかなり省略・意訳されています。

無事TOPIK受験も終わったことだし、もう一度一話から観返して印象に残ったところについて書いてみることにしました。素晴らしいコンテンツが次々と投下されても、それを追うことに精一杯でなかなかまともに感想を残せないのを悲しく思っていたので…!

 


[In the SOOP BTS ver.] Official Teaser 3

 海外に行く替わりに韓国の田舎のペンションに宿泊し、前半3日間・後半4日間にわけて撮影された〈In the SOOP〉。ロケ地のペンションがあるのは江原道春川市。ソウルからは車で2時間ほどの場所にあります。施設は大韓民国建築大賞も受賞した「湖に行く家」というテーマの建築だそう。当然ながら今は予約がずっと埋まってますが、いつかここに泊まれたら最高だな〜。

 ■ Lake192
춘천시 사북면 가일리 192-3
http://m.lake192.com/#__87511__item2


2020年8月から10月にかけて配信&TV放送(韓国JTBC)されたこの番組、収録は5月末におこなわれました。収録付近にはこんな感じの出来事が。

■5/22  🐱〈D-2〉リリース
■5/23  Vlive 꿀FM 🐱🐿
■5/24  Vlive 🐨🐹

■5/25-27〈In the SOOP〉前半(1〜3日目)

■5/28  Vlive 🐱 D-2 Behind
■5/30  Vlive 꿀FM 🐱🐥

■5/31-6/3〈In the SOOP〉後半(4〜7日目)

■6/1  Festa2020 開幕
■6/4   公式Twitter BLM支持ツイート
■6/5  🐰〈Still With You〉リリース

 収録初日にはジョングクとナムが〈Still With You〉の歌詞について相談してたから、レコーディングは途中ソウルに帰ったタイミングだったのかな?とか、時系列を見るとまた想像も膨らみますね!

 

コンセプトは「休暇と日常の間」

〈BON VOYAGE〉シリーズは最初の北欧編からずっと面白いですが、やっぱり一番好きなのは2019年のニュージーランド編。それはなんといっても、過去作に比べて7人の希望が反映された旅行だったからです。観光もゼロではないけど、キャンプしてご飯を食べて…7人で過ごすことに焦点を置いた一週間になっているところが好きでした。それをさらに極めたのが〈In the SOOP〉。食べ物に本、キャンバスなど、希望のものを用意しておいて、計画を立てることもなく7人の気の向くままに過ごす様子が収録されました。

👤「休暇と日常のあいだ」
🐨「ああ、それは一番むずかしいことですね。」
👤「休暇の時には勿体なくてできなかったこと。日常では忙しくてできなかったこと。それをやってみようというのがこの番組のコンセプトです。」

 韓国のバラエティ番組はテロップが多く、〈BON VOYAGE〉や〈走れ!バンタン〉も例にもれず数秒も置くことなくテロップが出ます。しかも出演者の話した言葉を字幕化するだけじゃなく、制作陣目線の所感みたいなのが出ることが特徴。普段はそれが面白くて好きなんですが、〈In the SOOP〉においてはテロップもかなり控えめ、というか単なる状況解説にとどまっていて、制作陣の介入をなるべく避けた形にしている印象でした。撮影にも自動カメラが取り入れられ、広範囲の撮影でもなるべく7人だけの空間をつくるよう気を配られていたことも、番組に没入できた理由の一つだと思います。

 

ごはんとバンタンソニョンダン

 海外にいる時も、ずっと「韓国料理食べたい!」って言ってる少年団。今回は毎日自分たちで好きなものを作ります。苦労して作ったお寿司やフライドチキンも、即席のチャパグリも、同じくらい美味しそうにたいらげる姿が気持ち良い。テヒョンのお母さんがいつも作ってくれるおこげとか、テンジャンチゲにはサムジャン入れると美味しいとか、深夜2時に焼くお肉とか、ラーメンのお供にツナマヨごはんとか…そういう日常の中のごはん事情を知る機会ってあまりないので、すごく貴重で楽しかったな。

 EP.3ではテヒョンがフライパンでのチヂミ返しに成功して、皆でワーワーと大喜びしていたのが楽しかったです。ハイライトがチヂミ返しになる番組って…ぬっくぬくやんか!

ナムジュンのかわいい紅梅

 ホソクと2人きりの語らいで「休むことにも訓練が必要みたいだ」って言ってたナムジュン。普段から意識して趣味を楽しもうとしているナムジュンは、読書に絵、ラジコンボートにアーリオ・オーリオ…客観的に見るとうまく時間を使いながら色んなことに挑戦してるように見えました。ナムジュン(ユンギとホソクも)が読んでた本は『アーモンド』。日本でも本屋大賞を受賞してたやつですね。私も近いうちに読むつもり!

 それから、ずっと育てている紅梅ちゃんを連れてきて愛情を注ぐ姿を見られたのが嬉しかった。

 🐨「見守りながらいつも“君もこんなに一生懸命生きてるんだから、自分も一生懸命生きなきゃね”って」

 映画『Break The Silence』でも植物を愛でるのは狂わないための闘いなのだと話していましたね。私も盆栽を育てたことがあるのですが、結構難しくって枯らしてしまった思い出。この紅梅ちゃんは5年以上だそうですから、とても大切に育てられているのだと思います。ナムジュンに日々癒やしをくれる紅梅ちゃんに感謝…。

 

ソクジンのモーニングルーティン

 リアリティ番組では毎回ユンギとの相性の良さが目立つジンくん。初めてカヌーに乗るシーンでも「戻ってこれる?落ちても助かるかな?」って不安げなユンギになんとかなるよハハハって明るく笑い、「ユンギどこ行きたい?ヒョンが連れていってあげる」と頼もしい姿…自分も初めて乗るのに!

 メンバー紹介でジンくんを『BTSの精神的支柱』と書いたのはどの番組だったかな。とにかくそれを改めて感じたのが最終回でのユンギとの会話でした。

🐹「やっぱり周りの人たちが大事だな。お前たちはいつも努力をするじゃん。ぼくがそれを見て努力をするようになるんだよ。」
🐱「おれもべつにいつも努力してるわけじゃないですよ。」
🐹「お前が努力しなかったら他のやつらが努力をするじゃん。」
🐱「おれらの関係が健全なのはだからかもしれないです。」
🐱「おれは努力するふりはよくするけど…」
🐹「それが重要なんだって。どっちにしろ周りの人達の刺激になる。お前から刺激をもらってぼくが頑張れば、お前もそれを見て頑張るだろ?」

 こんなふうに小さな声で自虐的なことを言うユンギも見慣れなかったし、ジンくんの話し方が優しくて泣けてくるやつ。とても穏やかに話しているけど、たくさんの悩みの中で見つけてきた言葉だということがわかります。“頑張るふり”を肯定するジンくんの考え方はちょっとした衝撃でした。そんなふうに考えたことなかった。やってる感出すのよくないって思いがちだけど、確かにそれが他人や自分自身のプラスに働くこともあるかも。

 早起きジンくんのモーニングルーティンにも和みました。RJのパジャマ、マルタ編から着てるやつですが久々に見たらくたくたになってて、ずっと愛用してることがわかって愛おしい。気の向くままにやりたいように行動するんだよってさらっと言うけど、何をしたら自分の気分が良くなるかを知っているのは当たり前のことじゃないですよね。ジンくんの安定感はすごく癒やしになるなぁ。


ユンギは釣りに嵌ってない

 この頃のユンギと言えば、コロナ禍で活動が停滞する中でもミクテのリリースやコラボ、꿀FMのDJに加えて、絵を始めてみたり…アミが驚くほど精力的に活動をしていました。この番組では200号のキャンパスを所望したユンギ。ジョングクやナムジュンとはタイプが違い、内面世界を色で表現するみたいな作品がユンギらしいです。

 そしてなんといってもジンヒョンへの愛に、毎回打ち震えました。

🐱「釣りはやってはいますけど、のめり込むほど好きではないみたいです。ただ釣りしにいこうとするのはもう、ジンヒョンが行こうって言うから、“ええ行きましょう”って言うだけで、釣れなくてもまぁ、ジンヒョンが喜ぶから…」

 ユンギは気を遣って付き合うタイプではないと思うし、貴重な休みを使って釣りに出かけるのは本当にジンくんと一緒にいるのが楽しいからなんだろうな。EP.7では「あまり兄弟みたいに仲が良くても危険だよ」ってナムジュンが言ってるのにも関わらず、「ジンヒョンと最近兄弟みたい」「ユンギとはソウルメイト」「おれらすごい気が合う」って照れもせずに言い合う姿がたまらなく良かった。

 

ホソクが作ったゴム動力飛行機

 ナムジュンと一緒に趣味をやりたいからと、読書やヨガに意欲を示してたホソク。なんだかすごく「ナムジュンと共通項をつくりたい」って気持ちが迸っていて微笑ましい。EP.6でナムジュンと一緒に登山したのは100大名山の一つ、龍華山。頂上からの景色が美しく、インドアタイプの私までちょっと登山に惹かれてしまいました。2人は頂上まで0.7kmの傾斜がきついコースを選んでましたが、2〜3時間かけて登るコースが一般的なようです。

EP.6ではテヒョンと2人でドライブへ。トランクに腰かけて韓牛バーガーを食べながら車のオーディオで踊る姿がロードムービーそのもので、泣けてくるくらいの眩しさ。バンタンが運転中やカラオケで自由に音楽を楽しむ姿を見てるの好きだな。

 こういう時にどういう過ごし方をするのか、一番想像つかなかったのがホソクかもしれません。だけど初日から1人で3時間も飛行機づくりをしていたし、レゴ製作にもすごい集中力を見せてましたね。ユンギとジョングクの協力により飛行機が空に飛び上がったときのキャッキャと笑う声、この世で聴ける最も尊い音の一つだよ…!

 

ジミンとフライドチキン・ナイト

 自分主導でなにかするよりも、他のメンバーが始めたことに便乗して遊ぶ姿がよく見られたジミン。やっぱり誰かと一緒になにかをすることが好きな人なんですね。ユンギと2人で仲良く遊ぶ姿、今まであまり想像つかなかったので盛大に沸きました。「ぼくと一晩中ゲームするシュガヒョンを募集します。」があまりにもかわいい。

🐥「ぼくにはその質問自体がすごく怖かった気がします。“今日何しよう?”って。何か自分が自分じゃなくなる感じ?本来自分がやるべきことから追い出されたような感じがしたんです。だけど“今日何しよう?”が初めて肯定的なメッセージになったみたいです。ぼくにとって。」

 コンサートができない虚しさと闘っていただろうジミン。ジミンが目的や意味を深く考えずに好きな人達と過ごす時間を楽しめたなら良かったな。

 7人一緒にいるのが大好きなジミンは、狭い宿舎で暮らしてたときの思い出話も楽しそうにしてました。5日目のフライドチキンを揚げて食べた夜が自分のハイライトだったと言うジミン。楽しすぎて、他の5人が寝たあとにもジョングクと明け方まで呑んで卓球してジョングクの部屋の蚊帳を壊して…文字通りめちゃめちゃ元気に遊び回る姿がカオスでした。酔っ払ったジミンの暴れっぷりに、為す術なく「あんで」言い続ける無力なジョングク。こんなとんでもない映像が見られるとは思ってなかったよ??

 

テヒョンが勇気を出した夜

 テヒョンはメンバーと一緒に遊びつつ、気ままにメンバーから離れて1人の時間を持っていて、その時間もとても幸せそうに過ごしてたのが印象的でした。最初からやりたいことに「1人でドライブ」と言っていたし、自分だけで思いに耽る時間も大切にしているんだろうな。

🐯「これものすごく癒やされるな。ここまでだとは思ってなかったな。」

 1人カヌーで湖に繰り出すところは映画のワンシーンよう。あとナムジュンに捧げるトロットがかわいすぎたね。

 EP.6では、ジミンの仲介を経てジョングクと2人で話す席を設けたテヒョン。昔とは関係性が変わり、最近テヒョンとの間にぎこちなさを感じていたと語るジョングク。皆でいるときはよくても2人きりになるとちょっと気まずいってこと、ありますよね。昔はとても仲が良かったから、なおさらお互いの変化を意識してしまうのかも。なんとなく人間関係において受け身な印象がある2人。共通点が多いからこそ生まれた距離なのかもしれません。

 そんな相手と改めて自分たちの関係性について話すって、勇気がいるものだと思います。緊張しながらもかわいらしいサプライズで踏み出したテヒョンに、一生懸命に自分の考えを伝えようとするジョングク。積もってしまった見えない壁を越えて、またお互いの共通点を確かめ合った2人が感動的でした。

🐰「その後から何だかヴィヒョンと、以前と全く同じ幼い感じではないけど、それでも少し戻ったような感じがしました。」

🐥「思いも寄らない部分でみんな知らず知らず疲れてた部分があった気がします。それがかなり解消されたし、本当に近くて親しい関係だけど、知らないうちに積もっていった壁があったような気がするんですが、それを崩せる機会になりました。」

 EP.1でのジミンの言葉は、この2人のことだったのかな。皆ずっと一緒にいるとはいえ、2人きりの時間ってきっかけがないと持てないでしょうし、その尊い時間をくれた森に圧倒的感謝…。普通はグループ内のこういう部分をファンに見せることは避けるはずなので、隠さず見せてくれたことが驚きでしたし、「偽りのない姿を見せたい」というバンタンの姿勢を確認できた嬉しさもありました。


ジョングクとちいさなお友達

 今回も万能ぶりを発揮してくれたジョングク。中でも絵はすごかった。絵が上手いのは知ってたけどすごかった。デッサンもとびきり上手いし、色彩感覚も抜群。ハンドレタリングから油絵まで何でも描けてしまうの、天才。

 絵が上手な人って対象への関心が深くて、高い観察力がある気がします。森にいる間、色んな生物・無生物を観察して話しかけるジョングクが見られて愛おしさが爆発した。虫をじっと見て「この子かわいい。見えるの?」。釣りのオモリに「君は重いの?重くないの?」。7日間を過ごした水上コテージとの初めての出会いでは、くんくんと匂いを嗅いで相性を確かめる姿が野生的で良い。ソウルから戻ってきた時には明るく「元気にしてた!?」と部屋に話しかけており、数日間のあいだにすっかり水上コテージと仲良くなったんだなとにこにこしてしまいました。森羅万象がジョングクを愛するよ!

🐰「諦めて飲むサイダーの味は素晴らしいだろうな」

 これはゴム動力飛行機がうまく作れず、早めの放棄をした時のジョングクの言葉。大好きなので、心に刻んで実生活でなにかを潔く諦めたときに使いたい。

 

みんなで作ったテーマソング

 EP.3にて、ゆるゆるあそぶ時間の中で自然に始まった作曲。テヒョンのピアノのリズムにあわせてホソクが“SOOP, SOOP, SOOP”って歌い出したのを皮切りに即興でどんどん番組テーマソングができていくの、先にテーマソングを聞いてたからこそ「ここでこの曲が!」ってトリハダでした。曲作りが進むなかで部屋に入ってきたユンギ。みんなが自発的にわいわい作ってるのを見て、雨の中を走って機材取りにいく姿にときめき爆発した。「一緒にいる時間」とストレートな歌詞を乗せて、まさにその場の雰囲気と気持ちをリアルタイムで曲にするってとても貴重。最終回でのレコーディング風景含め、ラフな雰囲気で始まって純粋に楽しみながら作られる過程を観ているのがとても幸せでした。〈In the SOOP〉での楽しく穏やかな時間と7人のチームワークがテーマソングって形になって番組を飾るの、あまりにも完璧ではないですか。

🐱「この7人がいなかったら何してたかな?」
🐱「こうやって7人でいるとすごい笑えるのに1人でもいないと」
🐰「1人でもいないとそれが出ないよね
🐿「この7人が集まったのは運命だよ」

 きっと事あるごとに7人でこんな会話してるんだろうな。それをただただ観てられたのが癒やしだったし、どこまでも地に足がついていて、ずっと変わらず周りにある小さなものに幸せを見い出すバンタンが大好きです。

🐱「大げさな修飾語がたくさんつくじゃないですか、防弾少年団に。すごくプレッシャーに感じるんですよ。正直そういうものが。“この子達もただそんなに変わらない人なんだな”。そういうことをおわかりいただけたらいいですね。」

 共感と疎通に重きをおいて活動するバンタン。前人未到の成績を打ち立てて尊敬の眼差しを向けられるグループが、休むことも大切だよ、幸せって身近にあるものだよって教えてくれる。このことがどんなに良い影響を及ぼすでしょうか。〈In the SOOP〉ありがとう。ひたすらに幸せが詰まっていて、ずっと観ていたい番組でした!

 

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