Things I Didn't Know

BTSと韓国ミュージカルが好きです。

【BTS】釜山コンに行ってきた話 - Yet To Come in BUSAN -(前編)

「さぁ釜山の海よ」

この歌詞を釜山で聴ける日が来ようとは!

BTSが10月15日に釜山で開催した、たった一回きりの特別なコンサート。その貴重なチケットを手に入れるという幸運が訪れてしまいました。


渡韓もバンタンの公演も、約3年ぶり。44時間という短い滞在でしたが、3年分のさみしさが全部報われたかのような幸せな時間をあとで思い出せるように、記録しておきたいと思います。

 

チケット当選、そして準備

とにかく当選は期待しないようにしていました。バンタンの公演があまりに恋しいから、落選したときに傷が浅く済むように。だからJTBのチケット付きツアー当選のお知らせを見た時はとにかくびっくりして、涙を呑んだたくさんのアミたちに申し訳なく思って、本当に入国して会場に辿りつけるのかが不安になって、しばらくはしゃぐことはできず。

むしろ当選を報告した友人や同僚の方がハイテンションで祝福してくれました。上司なんかも私が心置きなく有給を取れるようにと張り切って業務の調整をしてくれて、じわじわと喜びを噛み締められたのでした。オープンアミやっててよかったな!

ちなみに上司はまったくバンタンに興味のないアラフォー男性ですが、当日はコンサートの中継を見てみようとWeverseアプリをダウンロードしてくれたらしいです。ウリ上司、やさしすぎでは???上司が自ら検索窓に「BTS 配信」とか「Weverse」と打ち込むとこ、想像するだけで泣けちゃう。サーバー落ちちゃってすまなかった。

私が当選したJTBのパッケージツアーは、エア・ホテル・送迎・チケットがセットになったもの。会場変更の影響もあるのか、なかなかに不確定要素だらけで、当日になって判明することも多々。チケットはスタンディングと指定席どちらなのか?チケットの受け渡しはいつなのか?送迎バスの時間は?など、直前までわからないことばかりで、日本の旅行社らしからぬツアーだった気がします。特に私の参加したコースはホテルがなんとお隣の金海市にあり、釜山の中心部までは電車で1時間弱。不便なので送迎バスはつかわず、現地では離団して行動することに。

とにかくコロナ前とはいろんなことが変わったので、初渡韓ってくらいの心持ちで慎重に準備。釜山もかなり前に二度行ったきりなので土地勘もないし、調べなきゃいけないことはいっぱい!「Q-CODEってなんぞ?」「あ、接種証明書はまだいるんだ?」と、めんどうくさい手続きを一つひとつクリアしていきました。それでも入国後のPCR検査も直前で廃止になり、ほぼ緩和になった状態で行けたのがとてもありがたかった。完全に元通りになるまでもうすぐって感じですね。

掛け声の復習したり、ナヌムの用意したり、現地で会う予定の方々と連絡を取ったり、いろいろやってたらあっという間に当日。

 

紫に染まった街・釜山に到着

金海国際空港に到着したのは、コンサート前日のお昼頃です。関空からのフライト時間はおよそ1時間半。こんなに近いのに、3年も来られなかったなんてな!普通に帰省のためにこのエアを取ったという韓国人男性が「この飛行機のお客さん、ほとんどARMYですね」と笑ってました。去り際に「当選おめでとう!コンサート楽しんで」と笑顔で言ってくれて、いいひとだった。

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滞在中は釜山の街にアミが溢れていたので、行く先々で話す機会があり、目的地まで一緒に行ったりも。空港やホテルに紫の垂れ幕やお花が用意されていたり、BGMにバンタンが選曲されているお店も多くて、会場以外でもお祭りムードを感じられました。

あと釜山の方々、とっても親切でした。一気に増えた観光客に苛立つことだってあるだろうに、話しかけた人はみんなやさしく対応してくれた気がします。特に記憶に残っているのは、帰りの機内で隣の席になり、話し相手になってくださった年配のご夫婦。「次釜山に来る時は連絡して」と連絡先までくださって感動...。私が「あそこが楽しかった」「あれが美味しかった」と釜山について話すたび「ありがとう」とにこにこされていて、郷土愛の強さを感じました。ご夫妻は解禁されたばかりの日本旅行を楽しむために、大阪へ向かう道中。日本で韓国からの旅行者の方に会えること、また多くなりそうで嬉しい。困ってる方がいたら力になれるように、たくさん話しかけようと誓った。

ちょっとした店員さんとの会話くらいしかできなかった3年前と違って、自分のことを話せる程度の語学力がつくと、現地の方との交流の質がこんなに深まるものなんだな。コロナ禍で韓国語の勉強がんばってよかったー!

 

甘川文化村とナムジュンからのメッセージ

金海空港に到着後、さっそくツアーを離れ、先に到着されていたアミ友さんと合流して向かったのは、甘川文化村(カムチョンムナマウル)。山肌に所狭しと立ち並ぶ小さな家々はパステルカラーで彩られ、集落のそこここに壁画やオブジェが散りばめられたフォトジェニックなエリアです。

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そのエリアの中でアミが長く列をつくっていたのは、この壁画!

ジミンちゃんに影が落ちちゃったのが残念ですが...

眺望のよいカフェで話していたら、日が暮れて空がニ色に。テラスが貸切状態でよい時間だった…釜山に連れてきてくれてありがとう、バンタン!

甘川文化村はもともと朝鮮戦争の時につくられた集落で、南下する北朝鮮軍から逃れてきた避難民が簡易的に住居を建てたのが始まりだったのだそう。このような急斜面にある集落を「タルドンネ(“月に近い街”の意味)」と呼ぶのだとか。町おこしに成功して華やかな観光地として生まれ変わる前の厳しい暮らしぶりにも想像を巡らせつつ、歩き回りました。

夜は西面に移動してモクサルを食べ、その後カフェで明日のコンサートの話をしているところに、ちょうどナムジュンのWeverse投稿が。

今回はたった一日の公演だけに、全身を捧げてやることになるのではないかと思いますが、僕たちも10年間でこれほどの規模のスタンディング公演は初めてです。 最初から場所や状況が状況だけに、お祭りやフェスティバルのような感覚が強く感じられるように企画しました(紆余曲折が多かったのですが)。

コンサートの前日に長文投稿って、珍しいですよね。綴られていたのは、釜山コンにまつわるさまざまな問題について思うことは数あれど発言できない歯がゆさと、それでも最高の公演にしてアミを幸せにしたいという切実な願い。TMAの授賞スピーチでも「もともと僕たちが得意だったことは、釜山ですべて見せる」と言っていたナムジュン。7人が一回きりの釜山コンに賭ける思いの強さが伝わってきた気がしたし、その大切な公演に参加できることへの実感がようやく湧いてきて、胸がいっぱいになってしまいました。

 

釜山の海、そして大混乱のコンサート会場

コンサート当日は、早起きしてアミ友さんと海雲台へ!釜山は三度目にして、初めてビーチに来ました。

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朝ごはん兼昼ごはんはテグタン。透明であっさりしたやさしいスープにぷりっぷりのタラがいっぱい入っていて、美味しかった…。たった2日間では食べたいものが全然食べられなかったので、また近いうちに来なければ!

パラダイスホテルのフォトスポットも見に行ってきました。

13時頃、いよいよ会場へ到着。JTB組の専用チケット受渡しブースは最寄駅近くに別途設けられていて、スムーズにチケットとリストバンドを受け取ることができました。JTB組は指定席。私は153cmと背が低いので、スタンディングだったら2時間ずっと前の人の後頭部だけを見つめ続けることになり得る。ステージからの距離はあるけど、ストレスなく観られる指定席で安心しました。

最寄り駅と会場近辺はバンタンの広告だらけ!特に最寄駅通路に歴代のジミンが並ぶジミンロードは壮観。ここが通勤路だったら、出勤の苦しみが3割くらいは軽減されそう。

気球も飛んでいて、さっそくフェス感が出てきた!会場近くではweverseやFC、hyundaiなどの関連企業のブースがいくつも並んでいて、いろんな入場特典も。これは朝イチに来たとしても時間が足りないやつです。

ありがたいことに、ボランティアで〈Yet To Come〉の掛け声シートとゴミ持ち帰り用の袋を配るアミも。韓国のコンサートでは自作のフォトカードやうちわなどのナヌム(分かち合い)を配ってくださる方がいるので、私もお返しできるようにお菓子などを用意していきました。

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一方会場周辺ではひどい混乱が。Twitterでも散々その惨状が伝えられていましたが、本人確認及びチケット受領列は大変なカオス状態。きつい日差しのなかで何時間も列に並んでいるアミ友に食料を届けるため、近づこうとしたのですが、列がぐちゃぐちゃで、場所を示すサインもなく、整列するスタッフもまったくいないという状態。ようやく見つけたスタッフに何度か声をかけましたが、どの方も自分の持ち場以外のことは把握していないよう。スタンディング組はただでさえ過酷なのに、公演が始まる何時間も前からこんなに疲弊させられるなんて!

話を聞くに割り込みも頻発していたよう。私も普通に進もうとしてるだけなのに、気づいたら列っぽいものに吸い込まれちゃったりしたので、悪気がなくとも割り込んでしまった人は多そうです。揉めごとがあったという話も耳にしましたが、それでもあの大混乱のなかで秩序を守ろうとじっと順番を待っていた人がほとんどだったのだから、アミはほんとうに偉い。心のなかで5万人に休足時間を贈った。

14時すぎ頃からは、リハの音が聴こえてきました。30〜40分ほどやってたかな?7人の歌声や話し声が聴こえてきて、「バンタンがすぐそこにいる…」と震えが来ました。

着席したのは開演30分ほど前でしたが、スタンディングエリアは半分ほどしか埋まっておらず。開演1時間にもあれだけ果てしない列が続いていたのだから、入場が間に合わなくて当たり前です。指定席から見ていると、開場までに入れなかった方も多数。さらにそのことでもともと3曲目の〈RUN〉の際に予定されていた車で外周を回る演出や、〈IDOL〉でステージの下に降りる演出が中止になったのだと、公演後のWeverse Liveでメンバーが悔しそうに話してくれたのでした。近くに来て欲しかったし、アミの近くに行かせてあげて欲しかった!トロッコで外周を周りながらアミを見る時の、あのきらきらした目が大好きなのにな。

やり直しの効かない一回きりの公演。一体なぜ、誰のせいでこんなにお粗末な運営になってしまったんでしょう。会場変更がなければどうなっていたかと、想像するだけでぞっとします。とにかく大きな事故がなくて幸運でした。

長くなってしまったので記事を分けます。一通り運営への文句も言ったので、後編では切り替えてステージの話だけするよ!

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