Things I Didn't Know

ミュージカルが好き。歌とダンスと物語が好き。定期的にソウルへ行きます。

【観劇レポ】日本版フランケンシュタイン(日生劇場)1幕

フランケンシュタイン日本初演、初日の公演を観に行ってきました。

 

1月8日(日) 昼公演

ビクター/ジャック:中川晃教

アンリ/怪物:加藤和樹

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1月8日(日) 夜公演

ビクター/ジャック:柿澤勇人

アンリ/怪物:小西遼生

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ということで、韓国版に死ぬほどハマった私が、韓国版との比較を中心にレポを書いていこうと思います。日本公演で削除・変更・追加された箇所のメモ的なものがメインです。韓国版を観ていないとわからない書き方になっている部分もあるので、ご容赦ください。

 

ちなみに、韓国版のレポは数回に分けて書いておりますので、よろしければご参照ください。

 

 ↑基本的な私の作品解釈についてはこちらに書いてます。

レポは他にもいくつかありますので「フランケンシュタイン」カテゴリをご参照ください。

 

 

当然、日本版で初めてフランケンをご覧になる方とはまったく違う視点から観てしまっていると思いますし、私の中でそれなりに解釈が固まってしまっているので、がらりと演出の異なる日本版については受け入れ難い箇所もありました。韓国版への愛が重すぎるゆえに、厳しい感想になってしまっているところはご容赦いただき、個人の意見だと思って読んでいただきたいです。誉めちぎっているところもあれば、こき下ろしてるところもある、かなり情緒不安定なレポとなっております。

 

何よりも、イ・ソンジュンさんのあの音楽が聴けて、新たな形で大好きなキャラクターたちを観られて、嬉しい気持ちが一番にあるのは本当です。日本で観られて、とても幸せです。絶対的に韓国版を愛してるので、変わった部分に戸惑いもありますが、日本版のスタッフ&キャストが、日本の観客にこの作品を観せるにあたってベストなものを作ろうという気持ちで新しいフランケンを構築したことは理解しているつもりです。なので、日本ならではの部分を切り取ることによって、日本のカンパニーがどういうテーマを伝えようとしたのかをなるべく読み取る努力をしながら、書いていきたいと思います。

 

まずは大きな違いから。

 

・制作費が圧倒的に違う

日本版と韓国版を比較したときに、まず大前提としなければいけない部分です。もちろん、正確な制作費を知っているわけではないですが、見た感じで言うと日本版は韓国版の1/3くらいしか制作費をかけていない印象です。というよりは、韓国版に規格外の制作費がかけられているのでしょう。韓国は国家事業として舞台芸術を支援しており、その中でもフランケンは初めから国外で上演されることを目標にして創られているため、力の入れようが違っただろうと思います。フランケンは今のところ、中国やヨーロッパでも上演の話があがっているという報道がありました。そんな韓国版と日本版の製作規模がまったく違うのは当然のことです。

そのことで、衣装に小道具に照明にアンサンブルの人数にと、たくさん変更点はありますが、何と言っても舞台セットが違うことが大きいです。興味のある方は、韓国版レポにリンクを貼っている動画から観ていただければわかると思いますが、大きな場面転換のたびに大掛かりなセットが登場し、映像も用いてダイナミックに展開していきます。(特に研究室のセットは目を見張るほど豪華なつくりになってます)対して日本版は、基本的には一つのセットを様々に動かし、少しずつ付け足していくことで場面転換します。もともと韓国の大掛かりなセットで上演することを前提として創られた脚本を、このように限定される中で表現していくのは、とても難しいことだったろうと思います。ですので、場面転換がスムーズにいかないのにはこういった理由があるということ、どうしても韓国版に比べて演出が限定されてしまうことについては仕方のないことだと納得しています。

 

・再演版で削除された曲・場面が採用されている

韓国版は再演でカットされた、ジュリアの《独り言》と、ビクターとジュリアの結婚式《平和の時代(リプライズ)》からのデュエット《あなたなしでは》のシーンがある。この2曲がないとジュリアの出番がだいぶ減るし、各所での宣伝で音月さんがメインで扱われてたことからも復活させるのではって気はしてました。曲としてはきれいで良い曲だと思うけど、フランケンにビクターとジュリアの恋愛のストーリーラインはあまりなくても良いと思っているので、やっぱりか~って感じはあった。特に結婚式および《あなたなしでは》は、入れることで大きく話が変わって来るので無い方がいいと私は思ってます。理由については韓国版の2幕レポの方で詳しく書いているので割愛。

韓国再演版では、この2曲を削除することによって他の場面にゆとりを持たせ、しっかりと"間"を入れるようなつくりになってます。それに慣れていたからか、日本版は曲以外の部分のテンポが早く、さらっとしすぎて物足りないなと感じるところが何ヶ所かありました。

 

◇◆◇◆◇

 

では、最初の場面から順番にいきます。

※韓国版レポでは好き勝手書いてましたが、今回曲タイトルは日本版プログラムに準じます。

 

・オーヴァーチュアの構成は初演版と同じ。

【僕はなぜ?】→【俺は怪物】→【あなたなしでは】→【孤独な少年の物語】

 

・冒頭、中央に鉄のベッドが観客に見えるよう置いてあり、怪物が寝かされる(毛布はない)ビクターが退場したあと、怪物が雷に打たれ覚醒、2度目の雷で暗転。

 

 

ワーテルロー

・兵士の銃声が怖くない(韓国版は鋭い銃声が怖すぎて何度観ても慣れませんでした)

・アンリが中尉に銃をつきつけられ、「言い残すことはあるか?」「ない。殺せ」というくだりがある。アンリが人生に執着していなかったことがわかりやすくなっていて、好き。

・アンリの軍服のデザインかわいい

 なんか変わったデザインなんだけど、結構かわいい。

・中尉とビクターがさほど険悪ではない。

「この者は命令不服従者で」「私はお前ほど慈悲がないぞ、命令不服従者」のくだりや中尉の「傲慢な奴」という台詞がなく、そのかわり「あのバカに殺されたいのか?」という台詞でビクターの高慢さが表現される。

 

・ルンゲの台詞

「そんなに見つめないでください、恋に落ちてしまいそうですよ」のあたりなど、初演版の台詞が採用されてる。全体的にルンゲの台詞多くて和まし要員として大活躍。「食事の仕度をしなきゃ~」のあとにアドリブ。マチネは「カルボナーラ。」ソワレは「ナポリタン。」に対し、柿ビクが「カレーが良かった」w

 

・"偽善者"ってワード

ビクターの嫌味な台詞「敵兵を治療して慰められているのか?」のあたりのあとに

アンリ「私は偽善者ではありません」

ビクター「死体の再利用の研究をしながら、戦場で敵兵を治療するだけなんて、偽善だ」

アンリ「あの論文は間違いだったんだ」

というくだりがある。全体的に、アンリがビクターの研究に協力する動機が台詞でより丁寧に説明されているって感じ。

 

■ただ一つの未来

内容もオリジナルと同じで自然な訳詞だった。2人とも下にいるところから始まり、途中でビクターがセットの最上部に登り、アンリも少しずつ登っていってラストに最上部で手を握る流れ。研究室では、4体の死体が破れた障子みたいなのに引っかかっており、研究員も4人いる。歌途中の動きはぜんぜん追えてない。

 

歌終わりに、4体の死体のうちのひとつがガクリと腕を垂れ、動かなくなるとビクターが研究員に「廃棄しろ」と冷たく言い放つシーンがある。1幕ラストの伏線としてとても良い追加部分。

 

ウェリントン将軍とビクターがさほど険悪ではない。

ビクターの「あいつ嫌い」感はまったくなく、むしろ友好的な態度を取っている。アンリを紹介された時の将軍の「そうか、良かったな」も普通に明るい。ご機嫌。(韓国版は「さいですか~興味ないけど」って感じで言うよね)ビクターのウェリントン将軍の口真似みたいなのもなし。

 

全体的に、ビクターの性格の悪さ・嫌われ者感は薄い。特に晃ビクは絶大な自身は持っているものの、影や刺々しさをあまり感じず、人を集めそうなキャラクターに見える。柿ビクはわりと人を小馬鹿にするような話し方をする。

 

・「頼んだぞ、友よ」

晃ビクは去り際に軽い感じで。柿ビクは向かいあってトンとアンリの方を小突いて。いずれもかなりさらっとしてる。

 

・ルンゲの「質問ですか?」「命令ですか?」のあと

柿ビク「殴られたいんですか?愛されたいんですか?」

ルンゲ「愛されたいです!」

 

■平和の時代

再演版を採用。(ジュリアが入ってくるパターン)

 

・ビクターがジュネーブに戻るシーン

「大変申し訳ありません」「大変~」がない(アンリのかわいいポイントなのでちょっと残念)くらいで同じ。ドイツの女性のくだりでは

晃ビク「太ってるから、脱がせてびっくりするなよ」

柿ビク「おデブちゃんだから、ヤる時は電気を消せよ」

 

 

■孤独な少年の物語

 

訳詞は韓国版の内容概ねそのまま。「誰も理解できない 大きな目の弟」ですよね?最初「大きな目の男」に聞こえてしまった。下手にフランケンシュタイン城の入口があり、上手に子ビクターと両親。子ビクターが母の死体を引きずるシーンはなく、アンサンブルのゾンビのような動きのダンスが入る。転んだ子ビクターにアンリが手を貸そうとする演出もなし。とても好きな部分なので残念。

 

火事の場面は、セットが限られるので仕方がないんだと思うけど、村人が火をつけた建物の中にビクターがおり、父が救けに入ったところで建物が崩れるっていうのがわかりにくい気がした。それから、キャストの動きが緩慢に思えるところが多々あった。この曲に限ったことではないけど。本当にその役のその時の感情のままに動いたら、そんな動きはならないのでは?っていうところが何度かあって気になった。

 

・ステファンがなんか優しい

何が何でもうちのジュリアをビクターに近づけたくないっていう感じではない。ぎこちなくも一見普通に叔父をやってるけど、『生命の本質』を読む子ビクターを見て「なんだこいつ気持ち悪い」と思わずぶってしまう感じ。

 

・子役の歌のレベルが高い

特にマチネのジュリア(齋藤さくらさん)は、韓国版の4人を含めても一番上手。

 

・エレンがビクターの狂気に気付く

ビクターが『生命の本質』を読むところを観たエレン。唯一オリジナルにない部分「知らなかった胸の内を あの子母の死を認めてない」という歌詞が入る。

 

・子ジュリアの「大好きなの」

韓国版では「私にはあなたが必要なの」とかいう大人びたことを言う子ジュリア。その部分が「大好きなの」と訳されてる。なんか可愛くて好き。

 

・「脳が燃えてしまった」

韓国版のようにアンリにすがって嘆くことはなく、エレンを一瞥してすぐ行ってしまう。

 

・アンリがビクターの研究に協力する理由

ここはかなり台詞が違った。アンリは「自分は神への畏れから死体の再利用の研究を放棄した。生きる意味を見つけられず、救えたはずの命を見殺しにしたかもしれない。そんなビクターに偽善者と言われ目が覚めた」という内容を韓国版の台詞よりも、かなり丁寧に説明。板垣さんが「脚本を補った」と言ってたのは主にこのあたりでしょうね。わかりやすくなっていて、良かったと思います。

 

濱田めぐみさんのエレンは最高

もちろんお歌も上手ですし、何よりお芝居が本当に好み。韓国版の2人よりも好きなエレン。どこまでも優しく繊細なお姉さん像は日本的なのかもしれない。ビクターへの愛に溢れているけど、自分自身はギリギリで立ってるような脆さがある。「ビクターをよろしくお願いします」と言葉を詰まらせて涙を浮かべながらいうところ、すごく良かった。

 

・ルンゲの良い台詞

アンリが行ってしまったあと、「私も坊ちゃんの夢についていきたい。坊ちゃんの研究は多くの人を救うかもしれない。執事として例えどんなことでもしたいと思っている」というような内容をエレンに伝える部分がある。これはオリジナルには一切ない部分。これがあることでルンゲの存在感が増すし、1幕ラストにしっかり繋がってくるので好き。

 

 

■1杯の酒に人生を込めて

 

・「君がこんなに酔ってるとこ初めて見たよ」

韓国版にもある台詞ですが、両アンリとも言い方にとても愛があって良い。

 

・「どうやって新鮮な脳を手に入れる?人殺しでもしなければ」

ここはかなりさらっと言っていて、韓国版のようなねっとりした雰囲気はない。韓国ビクターは八つ当たり気味にあくまでもタチの悪い冗談としてこれを言ってるけど、日本ビクターは半ば本気で言ってる感じがある。「偉大な理想の墜落」も普通に言うだけ。(韓国版はテーブルの上に乗りだいぶ面倒くさいノリで言って周囲をドン引きさせる)日本版ビクターはそこまで酒回ってないよう。

 

・床で飲む

アンリとビクターだけ床に座って「もう一杯」する。柿ビクはオケピに向かって吐くっていう、ドンソクビクターと同じことやってるw 違うのは柿ビクはちゃんとオケピに向かって「ごめん」するところw 和樹さんはずっとウンテさんのファンだと公言されていたので、きっとそうだろうなと思ってたのですが、やっぱり和樹アンリはウンテアンリに近い母性を感じるアンリでした。柿ビクとこにアンは親友らしく打ち解けた雰囲気が漂ってますね。

 

・アンリが踊らない

アンリが!踊らない!寂しい!踊って!クソ真面目野郎なアンリがビクターのために率先してはしゃいじゃうのがいいのに!アンサンブルもあまり踊らない。なんかウェーイってビクターを担ぎあげたりしてる。アンサンブルに前に連れ出され、ワンフレーズだけ踊ってくれる。

 

・「野良犬が草を食ってるぜ」

え、ここ、このまま訳していいの?この部分の韓国語歌詞は直訳すると「過ぎ去れば犬が草を食う音」なんだけど、「犬が草を食う音」とは韓国語で「くだらない、馬鹿げたこと」という意味のスラングらしい。日本語でそのまま言っても意味通らないのでは…。私が訳作ったときは「過ぎ去れば取るに足りないもの」って訳してました。

 

・「僕には親がいない」

韓国語歌詞の「僕には親も兄弟もいないが ただ一人の友がいること それ以上何が必要だろう」と歌うところ。韓国アンリは自分に言い聞かせて噛み締めるように、周りの人に聞かせるように言うのに対し、日本アンリはビクターにぐっと身体を寄せ、「僕には親がいない だけど君がいるから充分さ」と告白するように歌う。ビクターもアンリが天涯孤独であることをその時に初めて知った様子で「そっか」って顔をする。

 

・ルンゲがキス攻撃に遭う

みんな大好き「使い道があったな(するもがいっそそ)」は「良い奴だ」に。ルンゲにキスするビクター。晃ビクは猛烈にちゅっちゅとルンゲにキスの嵐をお見舞い。店主に「お勘定」いわれ、アンリも「良い奴だ」でキスして逃げる→1杯酒リプライズっていう大体再演版に基づいた流れ。

 

 

■殺人者

 

・ひとーごろしー

みんな大好き「さーりんじゃーさりんじゃー(殺人者)」は「あーーひとーごろしー」に。歌詞の中では「人殺し」なのに曲タイトルは「殺人者」なのね。

 

・ウォルター母が上手い

 

・ルンゲの経緯説明

シルエットはない。アンリの歌唱部分では、舞台後方に本人が現れる。

 

・アンリの首を意識してるビクター

エレンに「アンリの首を使いたいの?」と言われたときに、ビクターが完全に「見透かされた」と動揺を顔に出す。(韓国版は「どういう意味だ、やめてくれ」と怒って否定するけれど、そうかもしれないとじわじわ自覚していくような感じ)

 

・ルンゲが坊ちゃんを信じてる

ルンゲが去る時に「私とジュリアお嬢様は何があっても坊ちゃんの味方です」と言い残す。韓国版では、「エレンお嬢様の言葉が真実ではないと信じたいです」と疑っていることを仄めかすので全然違う部分ですね。

 

■僕はなぜ?

予想通り「なーぜだー」でした。そうなるよね。この曲は結構歌詞がオリジナルと異なって「親友さえ利用しようとしてる」「アンリを死なせたら僕が殺人者」とはっきり言ってます。

 

酒場までで気になったのは、アンリ→ビクターは充分すぎるほどあるのに対し、ビクターがアンリのことを好きなのがあまり伝わってこない点。日本版はビクターがアンリの首を使いたがってることに最初から自覚的なので、本当に親友だと思ってるのかなと思ってしまう。とにかく2人の友情を表す酒場のシーンがあっさりしてることが原因かと。これは韓国版に慣れたがゆえに感じることなのかも。だけどよく考えると、コニョンビクターもそういう感じだった。単にジュンサンビクターとドンソクビクターがアンリのことを好きすぎるだけで、ビクターの基本形はコニョンタイプなんじゃないかと考えると、日本版の表現にも納得がいく。だけど私はアンリに心を許して頼っているタイプのビクターの方がより好き。

 

法廷では、ビクターの告白を下手でアンリも聞いている。(韓国版はビクターが連行されるのとすれ違いでアンリが出て来る)

 

■君の夢の中で

アンリの牢獄に格子がない。いや、格子の端くれみたいなものはなんとなくある。でも2人を隔ててない。泣くビクターを抱きしめるアンリ。柿ビクが突っ伏して嗚咽していて、最後連行されてるところも声の限り泣き叫んでて目が離せなかった。歌詞はちょっとうまくはまってないところもあるんだけど、内容としては完璧。何ヶ所かメロディを変えてたところがありましたね。アンリ役の2人は両方とも表情の豊かなタイプではなく、落ち着いていて知的なアンリなのですが、和樹アンリがくしゃっと表情を崩して泣いたのにはぐっと来た。

 

 

■偉大なる生命創造の歴史が始まる

 

研究室は、既存のセットにガラスケースの枠が降りて来てくっつく形。脇に機材みたいなものがあり、下手上部に窓。序盤に破れた障子が出て来た時点で「よし、制作費については理解した」と思ったはずだったんだけど、この簡素さには一瞬目が丸くなった。そういえば日本版には額縁の端っこみたいなのがぶら下がっていて、トートバッグのデザインにも使われているけど、今いち存在意義はわからない(火事のシーンとかで何度か降りてきたりはしてた)ので、そのぶん研究室にお金かけて欲しかったとちょっと思った。

 

アンリの首は、血の滲んだ袋に包まれてる。(韓国版では3アンリそれぞれの顔をモデルにした首が作られてる)制作発表で歌ってた「異能は追いやられる」という歌詞は「追われる天才達」に変わったんですね。わかりにくいもんね。

 

・覚醒した怪物

両キャストともすごい動きが人外って感じで良かった。手足がそれぞれ別の意識を持ってるようにじたばたと動いて、壊れた人形みたいでぞっとする動き。あれを見てると「失敗作」って言葉が頭をよぎる。

 

・コートの丈問題

韓ミュクラスタの間で散々議論されてた身長差のあるキャスト同士のコートの丈問題、ちゃんと確認してなかったんだけど、気付くほどの違和感なかったから、やはり別のコートを用意している?鉄のベッドの裏側にコートを置いていて、ルンゲがそれを取ってあげるので、その時に替えてるのかも。

 

晃ビクは何度もアンリ、アンリ、と優しく呼びかけ、友達が蘇ったことを喜ぶ。対して柿ビクはこれぞマッドサイエンティストという狂った笑いをみせる。アンリが蘇った喜びよりもまず科学者として神を出し抜いた嬉しさが先に来てる。そのあとには、優しい声でアンリを呼ぶ。背後から抱きついた怪物にルンゲが気をつけろと声をかけても「大丈夫だから」とルンゲを制する。怪物がルンゲを噛むところ、血糊は使われないのであまりグロ感はない。壁にかかった鎖をひっかけ、玩ぶ怪物。

 

首を絞められ逃げまどい、窓のところまでかけあがる。あっさり上がるし、ビクターもすぐに銃を構えるけれど、2人ともしばし躊躇する。ビクターは「友よ 許せ」と歌い、発砲。この、迷いなく撃たせないで「許せ」と言わせる演出には日本らしさを感じる。訳詞は全体的に、抽象的な韓国版の歌詞をダイレクトな言葉での心情描写・状況説明に変えてるところが多い気がする。「友を殺さなければ」みたいな。わかりやすくなってるのかなと思うところもあれば、野暮だと感じるところも。

 

最後の「あんでー!(ダメだ)」は「アンリー!」に。なるほどそう来たか。イ行のロングトーンは大変そうだ。続くシャウトはない。やってもいいんだよ!ください!

 

◇◆◇◆◇

 

2幕はこちら。