Things I Didn't Know

BTSと韓国ミュージカルが好きです。

【BTS】スタジアムツアーのロサンゼルス公演に行ってきた話

BTS『Love Yourself: Speak Yourself』ワールド・ツアーのロサンゼルス公演に行ってきました!

『Love Yourself』コンサートのアンコール公演として、北米・ヨーロッパ・ブラジル・日本のスタジアムを回る今回のツアー。5月4日~5日のロサンゼルス公演はその幕開けとなる公演でした。会場はローズ・ボウル・スタジアム。BTSは2019年にこの会場でコンサートをする唯一のアーティストで、2日間で計12万人を動員したそうです。

いつか絶対、北米公演に行ってみたい!っていう思いは昨年のLove Yourselfツアー海外公演を映像で観てからずっと思っていたこと。ツアーが発表されたとき、ロサンゼルス公演とGWが被っていることに歓喜しました。しかもオープニング公演を観られるなんて最高じゃないか!っていうことで海外遠征をキメることに。

◆ 渡米までの準備の話

とにかくまずはチケット。北米公演はTicketmasterというチケットサイトを通して販売され、海外からも定価チケットを購入することができました。これは抽選ではなく、先着順で席も選択できるシステム。ですが一斉販売のため、スムーズに席が確保できるかどうかはほとんど運です。私も最初、1日程しか発表されていなかったときのチケッティングでは見事に競り負け、アクセスできたときには座席表は雪原状態。一度は渡米自体を諦めかけたものの、のちに追加公演が発表され、無事チケットを取ることができました。(追加公演販売後には初日のチケットも多数戻りがあり、余裕で両日確保)

2日間の席はこんな感じ↓ 

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ちなみに値段はというと4日はリセールで$294、5日は正規販売で$225でした。かなり細かく区分けされていて席によって値段が異なります。というかドーム公演でも一律料金なんて多分日本だけですよね。

無事チケットが確保できたので、宿&エア押さえ。出発がGW後半だったので思っていたよりずっと安く済みました。が、心配ごとはまだまだたくさん…そんな中、在米ARMYの方が北米公演進撃組が交流できるグループチャットを作ってくださいました!やさしい!!最終的に40人近くが参加することになったこのチャット内で「会場までの移動どうする?」「会場内に持って入れるものは?」などなど、在米組の方々が懇切丁寧にアドバイスをくださって。本当にこのグループチャットがあったおかげで、今回の遠征が20倍くらい安心で楽しい旅になったと思います。特にロサンゼルスは車社会なので公共交通機関での移動がかなり不便。治安も日本やソウルのようには良くないので、ご一緒できて本当にありがたかったです。

 

◆ 到着!からの米ARMYとおでかけ

 往路はアメリカン航空で羽田からロサンゼルス国際空港まで約11時間のフライト。アメリカに一人で行くのは初めてではなかったのですが、英語圏に行くのはおよそ5年ぶりで、初めてのように緊張してました。なんせ英語は読んだり聞いたりするのはまだしも、話すのが苦手でごく基礎的な会話くらいしかできないんです。長いこと韓国文化にどっぷりだったんで英語から離れ気味だったのですが、BTS英語圏での活動が多いので、ARMYになってからはインタビュー動画にニュース記事にと、また英語にふれることが多くなりましたね。やっぱり何事にも英語は必要だよね…ってこういう時になってきちんと勉強してこなかったことを激しく後悔します。

ロサンゼルス国際空港からユニオン・ステーションまでバスで40分ほど。今回の宿はそこからメトロで20分ほどのイースト・ハリウッドです。本当はもっと会場の近くに泊まりたかったのですが、コンサートが発表されて値段が爆上がりしていたので節約のため離れた場所にあるドミトリーを予約しました。

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壁一面フラミンゴ!なんというゴキゲンな部屋!

ちょうど同時にチェックインしたアメリカ人の女の子が見るからにARMYだったので声をかけて、一緒にBTSグッズが売られているポップアップストアに行くことに。ドミトリーに多少不安はありましたが、こういう出会いがあるのが良いところです。

彼女はなかなかのガチ勢で、その数日前にあったビルボードミュージック・アワードをはじめとした数々の現場に良席で入っていたり、小指に“ 약속/約束 ”(※ジミンのソロ曲タイトル)とタトゥーを入れていたりと(←でもジョングクペンっていう)かなりのツワモノ。並んでいる間はどちゃくそ良席から撮影したお宝映像を見せてもらったり、「コンサートでどの曲聴きたい?」みたいな話をしたりと、とっても楽しくて良い時間でした。彼女は今回のアルバムでは『HOME』が一番好きだそう。スパニッシュ系だからスペイン語が入っているのが嬉しいと言ってました。そうだよね〜。私も実は『HOME』が一番好き。

同室だったので、コンサートから帰ったあとも感想言い合ったり。なんせ私が上手に英語を話せないからうまく伝えられないことも多々あったんですが、我慢強く下手な英語を聞いてくれる優しい子でした…。オタクだから動画を観ながら「ここやばい」「まじ天使」とか言ってるだけで十分だしな。「ジョングクはわたしの神様なんだ〜」ってうっとり話す姿がめちゃくちゃキュートでした。

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30分ほど並んで入店したポップアップストア!列に並んだ人に配られるリストバンドに、“Find your name and find your voice by speaking yourself”の文字が。ナムジュンの国連スピーチの一節ですね!

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中にはフォトスポットがいくつかあり、大きなスクリーンでMVも流れてました。

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出た、マテル社のドール!近くで見てもまったく似てない!衣装を着てないと誰が誰だか全然わからない!

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Tシャツは1枚$59と割高だったんですが、ロサンゼルス限定のやつが記念に欲しかったので2枚購入。ピンクのオマママーイTシャツ、かわいくないですか?めっちゃお気に入り。

このあとは米ARMYちゃんにBTSが何度か来店したという韓国料理屋さんに連れていってもらいました。コリアンタウンにあるコプチャンのお店。予想通り店内はARMYだらけ!そして夜はコンサート会場のあるパサデナというエリアの中華料理屋さんで日本ARMY会。LA初日、ずっとアジアごはんを食べていたし、観光ゼロでオタク活動してましたね。私はARMYでの集まり自体がはじめてだったのでとっても楽しかった!LAでご一緒させてもらった日本ARMYさんたち、在米の方も日本からの遠征組も濃度の高いARMYばかりでいろいろと勉強になったし、たくさんBTSの話ができて幸せでした。私ももっと勉強して全力でBTS推していこう…と良い刺激になりました。

 

◆ ロサンゼルスの街歩き

コンサートの話をする前に、滞在中のロサンゼルス観光のことも書いておこうと思います。会場が遠かったこともあり2日目〜3日目もまとまった時間は取れなかったんですが、それっぽいところに行けたので満足。

とりあえず2日目はサンタモニカ・ビーチへ。オタク活動以外では外に出ない人間なのでビーチなんぞまったく似合わないんですけど、ロサンゼルスらしい風景を観たいなーと思って。海には入ってません、もちろん!

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日差しはあるのに風が吹いていて気持ちが良かったし、コンサートに持って入れないから何も買わなかったけどサード・ストリート・プロムナードをぶらぶら見て回るのも面白かった。西海岸自体はじめてだったので、電車やバスやUberの中から風景を見てるだけでわくわくしましたね。私は観劇目的以外での海外旅行をほとんどしないので、BTSのことがなければロサンゼルスに行くことは多分一生なかったと思います。正直街を観て回ることにも最初はそんなに意欲がなかったんですが、やってみると久しぶりに海外の知らない街を歩く楽しさを感じられたので、連れてきてくれたBTSに感謝です。

2日目はパサデナでふたたび日本ARMYでランチして、同じく日本から来られた親子ARMYさんとハリウッド観光へ。

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あのハリウッド・サインがよく見えるスポットに連れて行っていただきました!映画好きとしてこれはものすごくテンションが上がった!そして定番観光スポットのチャイニーズ・シアターにも。よくテレビで観るところだ!もう一日余裕があったら映画会社のスタジオツアーも行ってみたかったです。このあたりは完全にザ・観光地という感じだったですが、ちょうどLINEショップがオープンを控えていたり、露店にもBTSの非公式グッズが売られているところを見かけて、BTSが今アメリカで最も売れるコンテンツの一つなのだってことを実感しました。嫌な言い方だけど、BTSを使ってお金を儲けたがる人がごまんといることを肌で感じたというか。基本的にはビッグヒットのことを信頼しているけど、昨年の日本でのコラボ人選ミスの件もあるし、ブランディングには絶対に手を抜かないでもらいたいなとハリウッドの繁華街を歩いていて改めて思ったのでした。

 

◆ ローズ・ボウル・スタジアムへ

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来ました、コンサート会場のローズ・ボウル・スタジアム!話には聞いていたけど、運営がぐだぐだでびっくりー!グッズ列や入場列が縦横無尽に伸びており、スタッフも少なくまともに誘導できていない状態。各所で混乱が起きてました。私は1時間前に着いたので余裕を持って座れたけれど、遅れて着いた人たちは開場ぎりぎりだった方もいたよう。会場内でもフード、ペアリング、グッズ、トイレ、すべてが大変な混雑で通るのも一苦労。日本の運営ってちゃんとしてるんだな。

あと今回のコンサートで面倒だったのは手荷物検査。ローズ・ボウル・スタジアムに持って入れるものはかなり厳しく制限されており、30cm×30cm程度の無地のクリアバッグもしくは小さなクラッチバッグ(もしくはジップロック的な袋w)のみ可能でした。なのでサイズとかめっちゃ気にしながら日本でクリアバッグを用意していったのですが(ダイソーで買った)、実際検査場ではポリシー外のバッグもばんばん通っていて、チェックゆるゆるでしたね…なんだそれ…。

そのへんは置いておいて、スタジアム!広い!(今回のキャパは約6万人だったよう)そういえば私スタジアムでのコンサート初めてでした。そして客層も広い!男性もすごく多いし、カップルや家族で来てる人がたくさん見受けられました。推しへの愛をアピールした服装の人も多くて、会場にいるARMY見てるだけで面白かった。私の後ろの席は女の子二人とご両親の4人家族だったのですが、お父さんがコンサート中に「前回のセトリはこうだったよね!」「あそこの演出がこう変わったね!」って興奮しながら娘たちと話しててめちゃ微笑ましかったです…。開演前スクリーンにMVが流れているときから掛け声もすごい。水を売りにきたお兄さんまでもMIC DROPでガンガン踊ってるから楽しい。コンサートは19時半からでちょうど夕日が落ちかけるころ。一気に肌寒くなった中での開演になりました。

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◆ SPEAK YOURSELFツアーの開幕!

いよいよ開幕!一体何を歌うのか、1曲1曲ドキドキできるのが初日の醍醐味!一発目は何!?え、待ってVCRのその衣装もしかして…まさかの…『Dionysus』!!!アーーー!!!いや、この曲はやるだろうと予想して楽しみにしてたんですが、1曲目に持ってくるなんて思わなかったのでびっくり!でもよく考えたらオープニングにぴったりな曲じゃないか、むしろコンサートのオープニングを飾るために作られたような曲じゃないかと5秒で納得した!ほらだってナムジュンの “You ready for this? Are you ready for get hyped up?” を聴けるんやで、最高!そして実際そのパートでは怒号のような歓声があがっていてものすごくアガった。

いや本当に『Dionysus』は最高すぎるよな。「創作の苦痛」「時代の怒号」と歌うアイドルめちゃくちゃ推せるし、プライドとハングリー精神がガツガツ詰め込まれたブチ切れ系の歌詞、セットありきの派手な展開、一気に7人の迸るエネルギーの渦に巻き込むのにぴったりの選曲!…からの『Not Today』の流れがまたあまりに素晴らしくて、意識吹っ飛びかけました。天才か???スタンドから見下ろすピラミッド型のフォーメーション、ものすごく綺麗に揃っていて圧巻だった…。
そして3曲目に『Wings』!!これは開放的なスタジアムをまわるツアーだから組み込んだ曲なのかも?と思った。ひらひら揺れる白い衣装で風を受けながら「空より高く飛びあがるよ」って歌う7人よ…。最初の3曲はとにかくステージに対する情熱と野望、飛躍への意欲を見せるパートっていう感じですね!『Wings』の歌詞は『Boy With Luv』につながるから、今回追加されたのかな?と思いました。

 

◆ ソロ曲の新演出が最高だった

ソロ曲はVCR含めLYコンと構成同じですが、演出が変わりました。まず『Just Dance』は白スーツの爆イケホソクさん登場!いちJust Danceにつき3万人くらいリア恋ファンを生み出してそう!定番になったJ-HOPEコールもすごかったです。

そして今回の最大のサプライズ演出の一つが『Euphoria』でのジョングクのフライング!ピンクの衣装で飛んだーーー!あんなにシンプルな装備で飛んじゃうなんてマンネだからこそできることですよね。大サビでフェイクと共に上昇していくところは、完全に鳥肌ものでした。本物の天使だった。

Serendipity』でシャボン玉の中に入ったジミンちゃんが登場したときはもう…演出天才か????と崩れ落ちそうに。中から自らシャボン玉を割って出てきて「君が僕を呼んだとき、僕は君の花として眩いほどに咲く」って歌いながら踊りだすんですよ????久しぶりに見たつやつやの黒髪とモノトーンの衣装がまたよく合っていて、とにかくめちゃくちゃ妖精だった。

ナムジュンの『Love』の衣装は普段からナムジュンがプライベートで着ている服とスタイルが似ていてすごく良かったよ〜。歌いながら、指から天の川みたいな光を生み出してハートを描くナムジュン!(…のように見えるエフェクトがモニター映像にかかる)どうなってるの?テクノロジーすごい!軽やかで少年みたいなスタイルとファンタジックな演出が不思議に合っていて素敵だった〜〜〜〜。

『Singularity』ではベッドに横になった状態で登場するテテ。ゆっくり目をあけて、カメラを見た瞬間本気で心臓とまるかと思った。私いっつもこの曲だけは微動だにできないんです。表情の作り方といい、手の動きといい、テテの表現力には完全に釘付けにされてしまう…。テテの魂が2つに分かれてしまうみたいなモニターのエフェクトも含め、新しい『Singularity』とても良かったです!

ユンギさんの『See Saw』新演出はなんだかものすごく90年代のドラマ感!恋人のいる部屋の扉をあけて夜の街を歩くユンギさん。私ミュージカルファンなんでこういうの好きだって知ってました?BWミュージカルにある!こういう演出!LAのARMY、韓国語歌詞もしっかり歌っていてすごく盛り上がっておりました…!

ジンくんの『Epiphany』はLYコンとほぼ演出変わらず。大サビの“ひらめき”が表現されるところが好きなので、ここはそのままで嬉しかった。そしてこの曲は、みんなが韓国語で合唱。LYシリーズのメッセージそのものが込められた歌詞、大切に思っている人が多いんだろうな。私が交流した米ARMYちゃんも最も好きな曲の一つに『Epiphany』を挙げてましたし。

それぞれ旧演出も素晴らしかったので、どちらが良いとかは選べないですが今回はよりお金がかかった演出になっていて、私が昨年LYコンで払ったお金も周りまわってこの演出の一部にはなってるのかな…ジミンちゃんのシャボン玉の中の花一本くらいにはなってるかな…と思うと幸せの循環を感じてめちゃくちゃ嬉しくなりました。

 

◆ ローズ・ボウルのファンチャント

そのあとの『伝えられなかった本心』も大合唱。米ARMYは公式掛け声とかあんまり気にせずにずっと一緒に歌うスタイルだって事前に聞いてたんですが、本当に自由に歌っていて驚きました。英語パートはとにかく大声で歌う!曖昧な韓国語部分も適当に歌う!みたいな。それからスタンド席でも双眼鏡持っている人がほとんどいないのも日本と違うところですね。“観る”が基本の日本と、“参加する”が基本のアメリカ、という感じなのかな。「この熱狂的な歓声とチャントの中に入ってみたい」というのが北米公演に行った一つの理由だったので、とても楽しかった。バラードはやはり静かに味わう方が良いけれど。

海外に行くといつもなんだか気持ちが軽くなるのは、日本に比べて良い意味で“人の目を気にしない”人が多い気がするから。日本人がライブ会場でもおとなしいのは「大声で歌ったら迷惑だと思われるかな?」「掛け声を間違ったら恥ずかしい」という意識が働きやすいからじゃないかと思います。私ももちろんそう。でもLAの観客は「わかるとこだけ歌う!」「はしゃぎたいとこではしゃぐ!」って感じで自分が楽しむことに重点を置いているようで、そういう空気の中では自分も周りを気にせず楽しめたのが、すごく良かった。

実を言うと、私は公式掛け声がちょっと苦手。なるべく頑張って覚えようとしてるし、音楽の一部になれると気持ちがいいけれど、結構むずかしいじゃないですか。間違えないように意識することで、ステージを観ることへの集中力が落ちてしまうなぁといつも思ってます。「ここ歌いたい」ってとこだけ歌ってたいな〜っていうのが本音なので、北米の雰囲気は自分が楽しむのに合っていましたね。

それからLA公演では7人のメンバーへの歓声の大きさが均一でした。これ、ライブを心から楽しむ上ですごく大きいことだった。メントの時はやはりナムジュンへの歓声が格段に大きいのですが、それ以外では本当に均一だったように感じます。日本のコンサートでの特定メンバーに偏った歓声、思ってたよりストレスだったんだなと自覚しました。私はメンバーの関係性の部分では視点が非常に偏っているのですが、基本的には特定の推しがいないオルペンで、BT21のグッズを買う時でさえもどれか一つを選ぶのに苦しむくらいなので…。7人みんなが同じくらい愛を受けている空間がとても幸せでした。

LA2日目を観に来ていたBOYZ ll MEN のショーン・ストックマンが語ったコンサートの感想がとても嬉しかったので記録用に貼っておきます。

 「みんなが韓国語で歌っているんだ。韓国語でだよ。ひっくり返ったよ。あんなものこれまでの人生で見たことがない」

きちんと知っている曲は一つもないのにも関わらず、人生におけるベスト・ショウの一つになった、彼らが成功した理由がわかる…と語るショーン。彼はこの時『Serendipity』のカバーもしていました。コンサートから数日で韓国語歌詞を覚えて歌うほど感銘を受けたというのだから、すごいですよね。著名人からの称賛ももう珍しくない状態ですが、長年音楽業界を率いてきた人がこんなにも熱の込もったコメントをしているのを見ると、すごい人たちを追っているのだなと実感します。


BTSという共通言語

色々飛ばしましたが、大好きな『Best Of Me』が聴けたのも嬉しかったし、新曲『Boy With Luv』も生で聴けて興奮した。序盤、『Wings』で高く空に舞い上がってからの「ここは高すぎる 僕は君とこの目を合わせたい」と歌うという、この流れ。

ソロ曲も含め、前回のツアーに比べて全体的にダンスパートが減った印象。7人の負担も考えて、ダンスパートにしっかり力を入れられるように考えて構成されたのではないかと思います。私はその方が嬉しい!『IDOL』なんかも基本フリースタイルなので、大サビでフォーメーションが組まれダンスが入るところではものすごくテンションがあがります!

アンコールの『Anpanman』で巨大なふわふわ遊具が現れたときは爆笑しました。わかる!脳天突き抜けるほどかっこいいBTSを観たあとは、わくわく幼児BTSも観たいよね!アンコールはメンバー同士のわちゃわちゃを楽しむタイムでもあるので、それを引き出すためにふわふわ遊具を用意してくれたスタッフさんには感謝しかない!公演を追うごとに楽しみ方がわかってきたっぽいですが、初日は7人もイマイチどう遊んでいいのかわからなくて遊具を活かしきれてない感が面白かったです。


エンディングメント。一日目は韓国語で話していたメンバーが多かったけど、二日目は英語の割合が増えてた。少し余裕ができたから英語のメントを用意したのかな。勤勉少年団…。でもやっぱり外国語で話すと表現が限られてしまうところはあるし、ユンギさんのようにその場で感じたことを母国語で話すスタイルも嬉しいよね。結果どちらにしても、いつも心の込もったメントをくれる7人、温かい。やはりナムジュンのメントはみんなが待ち望んでおり、特に2日目の歓声はすごいものがありました。歓声が落ち着くのを待ったあとに、泣きそうになりながら話してくれた言葉が本当に感動的だったので、改めて自分で訳してみました。

2013年からの6年間、僕らはさまざまな名前で呼ばれてきた。
RM、J-HOPE、JIMIN、JUNGKOOK、JIN、V、SUGA、
ボーイバンド、K-POP、韓国から来た7人の少年、
もしくはただの韓国人、アイドル、アーティスト…

そして君たちの名前は…僕らの学校。僕らの夢。僕らの幸せ。
僕らの翼。僕らの宇宙。僕らの夜の光。僕らの花様年華

その名前のすべてと、僕らにつけられた言葉を愛してる。
でも今夜は、今この瞬間は、それを忘れようよ。
こう呼び合おう、お互いに。
僕らはただ“BTS”で、君たちは“ARMY”で。
それと同時に、君たちが“BTS”で、僕らが“ARMY”なんだ。

どこの出身だろうが、どんな言語を話そうが、何歳であろうが…
今夜、ここロウズ・ボウルで、僕らは一つだ。
僕らは同じことを、同じ声、同じ言語で話す。
これがコミュニティだ。これをコミュニティと呼ぶんだ。

みんな、愛してる。すべて僕らのものだ。
僕らは絶対に君たちを、ARMYの物語を忘れない。
ずっと同じ言葉で話し続けよう。いいね?

まさにLA2日間で私が感じていたことをナムジュンが口にしてくれたようで、嬉しかったです。ロウズ・ボウルにいるのは、普通に日常を送っている中では出会うことのない人達ばかり。人種も年齢も本当に多様でした。私は英語も韓国語も流暢には話すことができないので、ここにいる人たちと親しい友人になることはできないだろうけど、同じようにBTSの音楽と言葉に惹かれ、共感を覚える人たちなのだと思うとそれだけで親しみを感じます。たとえば何年も机を並べて仕事をしている同僚なんかと比べても、ずっと近い存在に思えるから不思議。それを繋いでくれているのがBTSという共通言語なのだと思いました。そう感じられたことが今回LAに行って得た一番大きなものかもしれません。

新アルバム収録の『HOME』の歌詞の中でファンに向けて「君さえいればどこでも僕の家になる」と言ったBTS、それに応えるみたいにアメリカに渡ったBTSを「#WelcomeHomeBTS」というハッシュタグで出迎えたARMYも素敵でした。自分のコミュニティ、HOMEがここにあるというのを肌で感じられた気がします。もちろん、本当にあそこにいた6万人が一つではないことなどわかってます。ファンダムはあまりに巨大化しており、日々どこかで不満や諍いが生まれているのも目にしているし。だけど錯覚だとしても、使う言語も育ってきた環境も違う誰かと繋がれる、わかりあえるという感覚を持てるのは尊いことだと思います。その感覚こそが、知らない誰かを理解するための一歩だと思います。

37時間で1億回再生だとか、フォロワー2000万人だとか、日々BTSが樹立する記録は伸び続けて、TLに踊る数字にピンとこなかったりするのですが、実際にスタジアムで6万人のファンを見て、声を聴いて、BTSがこの多様なバックグラウンドを持った人たちを惹きつけてきたことの凄さを改めて感じました。ただただ、SPEAK YOURSELF=自分たちの内面を語ることでそれをやってきたことの素晴らしさも。

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最後の曲は『小宇宙 (Mikrokosmos)』。『Boy With Luv』で同じ高さまで降りてきて、最後はこの曲で一人ひとりの内面に目を向ける。アルバム同様に有機的なセットリストが、このクライマックスをより感動的なものにしていると思います。テクノロジーが好きだからと言い、ペンライトではなくスマホのライトを掲げさせるナムジュン。このときの光景は本当に美しかったです。

お互いが見た お互いの光
同じことを言ってたんだよ 僕たちは
最も深い夜に より輝く星の光
夜が深いほど より輝く星の光

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すごく好きな1日目のスローガン。「同じ月光の下、私たちの心は永遠にひとつ」。デザインもセーラームーンみたいでかわいいね。7人が帰っていったあとにあがった花火もきれいだった!そうか、スタジアム公演ってこういうことができるんですね。

ツアーの開幕、7人の新しい姿を見られる公演、北米公演の熱狂…そういうものを求めてきたLAでしたが、想像以上に大きなものを持ち帰れた気がして幸せです。本当に来てよかった。連れてきてくれたBTS、ありがとう!という気持ち。次は7月の日本公演。仕事をして、勉強もして、自分の人生を前に進めながらBTSを待っていよう。思いきり楽しめますように!

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↓これまでに書いたBTS関連の記事はこちらです。