Things I Didn't Know

BTSと韓国ミュージカルが好きです。

【韓ミュオタに色々聞いてみた】第4回 みけさん編

こんにちは、私です。ちょっと久しぶりのインタビューシリーズです。ソウルは合井(ハプチョン)のおしゃれカフェで楽しく話を聞いてきました。ソウル行く時はいつも時間に余裕がなくて、おしゃれエリアに行ってる余裕ないから嬉しかったな…。たまにはこういうのやりたいな…。

前回のインタビューはこちらです。

 

◆今回インタビューした方

【お名前】みけさん

twitterみけ(미키) (@les_mikkerables) | Twitter

【blog】なんでもないこと、みーっけた

【本陣(最推し俳優)】ミン・ウヒョクさん

【その他推し俳優】イ・ドンファさん、ソン・ドゥソプさん

【韓ミュ以外の好きジャンル】日本のミュージカル、演劇

【初めての韓ミュ観劇】2016年1月『フランケンシュタイン

いつも可愛らしいファンアートで楽しませてくれるみけさん。「好き」をざくざく形にされているところがすごいなー!と思っております。今回みけさんがわざわざ作ってくださったオリジナルグッズをいただいてしまい、嬉しくてツイッターで思いきり自慢しました。私もごくまれに絵を描くんですよね、そういえば。もう忘れかけるくらい描いてないですけど。ファンアートって言葉の壁も越えられるのが良いところですよね。韓国のミュージカルファンの間ではツイッターでのファンアート投稿が盛んで、プロ並みの腕前の方もたくさん。そういう投稿を眺めているのも韓ミュ界隈の一つの楽しみだったりします。

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*みけさんが作った韓ミュ関連の作品たち。めっちゃかわいい。


◆ 初のソウル遠征で受難

ーもともとミュージカルはどんな感じで観てたんですか?

ゆるい四季ヲタからのスタートでした。母親にたまに連れて行ってもらう中で、学生の時に「ウエストサイドストーリー」にはまったのがきっかけ。そのあと25周年記念コンサートの映像を観てレミゼラブルにもハマり、東宝にも範囲が広がったんですよね。地元は福岡なんですけど、社会人になってからは遠征を覚えて年12回も東京に通ったり。ちょうどその頃ツイッターをはじめたのも遠征に拍車がかかった理由のひとつですね。ツイッターだとリアルタイムで「これを観に来てます」って皆の観劇状況がわかるじゃないですか。同世代がガンガン日本中に遠征してるのを見ると影響されちゃいますよね。遠征ではミュージカルを観るだけじゃなくて、東京にいるミュージカル仲間にも会って、一緒にご飯食べたり語ったり。「めっちゃ楽しいな!ずっと地元にいたらできないことだな!」って。

ー最初に観た韓国ミュージカルは2016年1月の『フランケンシュタイン』ということですが、観劇の経緯は?

もともと韓国ミュージカルに興味はあったんです。ジュンス(※元東方神起・JYJ)が好きだったので、『エリザベート』とか、日本版でハマった『スリルミー』とか、動画をよく観てました。韓国自体には旅行で何度か行ったことがありましたよ。はじめて観劇のために韓国に飛ぶことになったのは、レミゼを観るため。もともと好きだったんですけど、2015年東宝版でどハマりして通ったんです。9月の富山公演が終わった後もロスから抜け出せなかったので「きっとどこかでまだレミゼが観られるはずだ…」と調べたら、ソウルで韓国版公演(※2015年11月〜2016年3月)があることがわかったんです。まったく知らないキャストだけじゃなく、日本でもバルジャンを演じたヤン・ジュンモさんやキム・ジュンヒョンさんも出ていたので、友達と「一緒に行こう」ということになって。

ーフランケンのことはどこで知ったんですか?

俳優の野島直人さんがコンサートでフランケンの『君の夢の中で』を歌ったらしく、それを観に行った友達が歌詞の内容とストーリーを教えてくれて「それ、私めっちゃ好きなやつ」と思ってたんですよ。調べてみたらドンソクビクターのビジュアルも素敵だし、「子犬」といわれるチサンアンリも気になるし…。きっと2回観たくなると確信して、渡韓のスケジュールをレミゼ1回、フランケン2回」で組みました(笑)

ーあれ…レミゼ渡韓のはずが…?

そうなんです。その予定でソウルに飛んで、まずは金曜日の夜にジュンサンビクター&ウンテアンリでフランケンを観ました。なぜかオーバーチュアから泣きましたね。言葉がわからないのに迫力に圧倒されて泣いてました。だけどその後にトラブルが…。地元・福岡が50年に1度の大雪に見舞われたんです。日曜日に帰る予定にしてたんですけど、飛行機が飛ばなくなったら困るということで、泣く泣く土曜の朝に帰ることに。レミゼも、ドンソクビクター&チサンアンリのフランケンも観られずに…。月曜に出勤できなくなったら大変なので仕方なかったんですけど、悲しかったです。福岡に帰って、ふて寝したり、雪だるま作ったりしてましたね…。

ーOh…はじめから何たる試練…(でも雪だるまは作ったんだ…)

もう1回飛びたいけど、当時は一人で飛ぶなんて選択肢はないし。ずっと落ち込んで家族にグチグチ言ってたら、心配症な父親が母親に「一緒に行ってあげたら?」って言ってくれて。母親もミュージカルは好きだったのでついてきてくれることになり、晴れてリベンジ渡韓ができたんですよ。

ーお母さま、優しい!

1泊2日でフランケンとレミゼにリベンジしたんですけど、これですっかりフランケンにハマってしまいました。かわいいタイプの人が好きなので、けなげなチサンアンリがツボだったし、天然人たらしなドンソクビクターもやばいし。母親ともずっと「フランケンやばいね」って話してました。


「チング」と「タンシン」しか知らなかった

ー最初にフランケンを観た時って理解度どのくらいでした?

全然わからなかったですよ。大学でも韓国語の授業は取ってたし、韓国ドラマも観てたけど、外国語って覚える気がないと覚えられないんですよね。ほんとに「チング(友達)」と「タンシン(あなた)」くらいしかわかんなかった。友達から「ちょっとしたあらすじだけで楽しめるらしいよ」って聞いてたから、とりあえずは予習なしで観てみるかと。2回目の渡韓の前に調べて、そこでユウナさんのブログを見つけて「こんな内容だったのか!」ってなりました。

ーおお、そうだったんですか!ありがとうございます!

そこからツイッターもユウナさん含め韓ミュファンの方を何人かフォローさせてもらったんですが、一人で渡韓してる人が多いことに本当にびっくりしました。カルチャーショックでしたよ、「どうも皆一人で渡韓してるっぽいぞ!?なんでこんな気軽に1人で飛べるの!?」って。私はすごく心配症だし、ご飯食べるとこ見つかるかなとか、ホテルでチェックインできるかなとか、不安だらけで…。「一生一人で海外に行くことなんかない」「一人で飛んでる人は雲の上の存在」って思ってました。本気で。もっとソウルに行きたいけど、毎回付き合ってくれる人もいないし、一人では無理だなって諦めてたんです。

 

◆ エクストリーム出勤はもうやりません

ーじゃあ、みけさんが初めて1人でソウルに飛んだのは?

友人Nさんに「ぜひ『ファントム』を観てほしい」ってゴリ推しされたんです。「一人が不安なら現地で一緒にご飯食べようよ」って誘ってくれて。しかも一緒のホテルに泊まってくれることになったんです。それなら安心だなと。その渡韓でなぜだか根拠のない自信がついて「わたし1人で行けるな」って。だから友人Nさんは私にとって渡韓の師匠なんです(笑)その2週間後に晴れて1人渡韓を果たしました。

ー2週間後!あっさり!

しかも、ものすごい強行スケジュールで。福岡行きの便だと、マチネを観て当日中に帰国するのが不可能なんですよ。だから土曜にマチソワして、日曜にマチネを観て、大阪行きの最終便で帰国。関西空港から新大阪に向かい、夜中2時にホテルにチェックイン。早朝5時に起きて、新幹線に乗る。8時半に博多駅について、月曜10時には何食わぬ顔で出勤するという…。

ーなにそれヤバイ。

これはさすがに帰国後に体調崩しちゃったんで、もうやりません(笑)でもそこでドンソクさんの『ファントム』もリピートできたし、久々に『スリルミー』も観れたし、何より『アイーダ』でミン・ウヒョクさんのラダメスを観れたし、後悔はしてない!
 

◆「推しは作るな」と言われていたのに

ーその渡韓でミン・ウヒョクさんにハマったんですよね。

そうなんです。最初に観たのはもっと前で、レミゼのアンジョルラス役でした。イケメンだけど顔は私の好みとは違ったし、手足が長いのになんか落ち着きがなくてリーダーの貫禄を感じなかったんですよね。もともとアンジョルラスって役が大好きだったので、かなり厳しい目で観てたとは思うんですけど。でもグランテールとの絡みがとても良くて、人間味を感じるところとか、面白い役作りだなと思ってました。観れなかったけど『ウィキッド』にもフィエロ役で出てらして、ずっと気になる存在だったんです。その渡韓で観たラダメス役がめっちゃかっこよくて…劇場で崩れ落ちました。でもノアさん(※インタビュー第1回に登場)「推しができたらたくさん飛ばなきゃいけなくなって大変だから、やめた方がいいよ」って言われてたから…。

ーあのノアさんに言われるとものすごく説得力がありますね。

「大丈夫ですよー!まだ気になるくらいなんで!」とか言ってたんですけど、帰国してからジワジワと深みにはまっていき…とうとう「本陣様(※本命俳優さんのこと)」になっちゃいました。

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[左]来日コンサートでのウヒョクさん [右]『ベンハー』カーテンコールのウヒョクさん

ー今年はついにフランケンにもビクター役で出演ですね!

コンサートでフランケンの曲を歌ってたので「いつか出てほしいな」とは思ってたんですよ。その時は『君の夢の中で』を歌ってたんですけど(動画)、生命力が強すぎて「このアンリ死にそうにないな」って感じだったんで、やっぱりビクターだったなと(笑)ぼろぼろになる姿を観るのが楽しみです!

ーぼろぼろになる姿、まだいまいち想像できないですよね。

そうなんです。明るいイメージしかない方だから。ウヒョクさんの飾り気のないところが好きです。“ウジュンマ(=ウヒョクおばさん)”って言われるくらいなので(笑)野球選手をやめてから俳優を目指したそうなんですが、月5万円くらいしかもらえない期間もあったそうです。アンジョルラス役を勝ち取って大劇場で活躍されるようになってからも、ずっと謙虚な姿勢で。本当に魅力的な俳優さんなので、皆さんよろしくお願いします!!

 

◆ 劇場に行ったら「公演中止」と言われた件

ー今回の渡韓は突発遠征なんですよね。

本当はフランケンが始まる6月まで飛ばない予定だったんですけどね。4月から仕事がキツい状況になって、ミュージカルももう3ヶ月も観てなくて、ちょっと鬱状態になってたんです。数日前、バイクで出勤しながら突然「そうだ、ソウルへ行こう!」って思い立って、航空券探したらGW直前なのに意外に値段もそこまで上がってなくて。航空券を押さえた瞬間みるみるチカラが沸いてきたから、やらなきゃいけないこと必死で終わらせて飛んできました!本当に観劇は元気の源だなって思います。

ーしかし昨日は災難でしたね…。

公演中止の件ですね…。渡韓を決めて、最近気になり始めた俳優さんが出る小劇場ミュージカル『プロポーズできない男』のチケットを取ったんですが、いざ行ったら劇場が真っ暗なんですよ。チケットボックスにいたお兄さんに聞いたら「今日の公演はキャンセルになりました」って言われて…!写真だけ撮って静かに劇場を去りました…。多分ですが、あまりにもチケットが売れなかったんだと思います。平日公演だとか、チケットパワーのある俳優さんが出ていないとか、色々あると思うんですけど。他の韓ミュ仲間に聞いても、みんな「それはさすがに経験したことない」って言うんで、これはもうネタにするしか…。俳優さんたちの気持ちを考えるとつらい。

ー私もそんなこともあるんだとびっくりしました。韓ミュは作品数が多い分、集客力に偏りが出ますよね。小劇場俳優さんたちの収入面も心配になりますね…。

主演のイ・ドンファさん、まだあまり名前の売れてない俳優さんだけど私はすごくタイプなのに!昨年ハマった『ベンハー』にアンサンブルとして出演されてた方なんです。『ベンハー』はアンサンブルがすごく活躍する作品で、演技も群舞もすごかった。(※イェグリン・ミュージカルアワードでも「アンサンブル賞」を受賞。アンサンブル界の精鋭が集結したと言われるチームでした)そこで「顔がめっちゃ好み!」と思ってチェックしてたんですよ。観られずに帰るのは悔しいので、今日の予定を変更してリベンジすることにしました。今日は観れますように!

 

◆ 語学力がないから、絵で伝えようと思った

ーみけさんと言えば、めっちゃかわいいファンアート!いつもたくさん描いたり作ったり、すごいです。いつから描いてるんですか?

絵を描くのは昔から好きだったんですけど、学生の時は恥ずかしいと思ってたんです。絵を描くような人は迫害されると思い込んでて、誰にも描いてることを言わなかった。はじめて部活の先輩に送る寄せ書きに絵を描いた時に、すごく喜んでもらえて「あ、描いてもいいんだ」って思ったのを覚えてます。趣味関連でファンアートを作ったのは『4Stars』(※BWミュージカル俳優のコンサート)がはじめて。来日したラミンに「来てくれてありがとう」の気持ちを伝えたかったんだけど、英語がわからないから絵で応援していることを伝えようと思って描いてみたんです。そしたらツイッターでたくさん反応をもらえて、「見てくれる人、楽しんでくれる人がいるんだ」って。そこからよく作るようになりました。絵だけじゃなく、キャラ弁とかお菓子とか。俳優さんがツイッターで紹介してくれたりと嬉しいこともいっぱいありましたね。

ー韓国ミュージカル界ってファンアート文化もすごいですよね。

しかもオープンなんですよね。ファン手作りグッズの無料配布もよくありますし。チョッコン(初日)やマッコン(楽日)なんかだと、イラストステッカーとかポストカードが劇場のロビーに置いてあったりして嬉しい。あれが認められているのがすごいなと。盛り上がるならOKという感じなんでしょうね。

ー稽古場にケータリングを出したりと、ペンカフェ(※私設ファンクラブ)によるサポートもよくありますよね。良い意味でも悪い意味でも、作り手とファンとの距離が近い気がします。

 そこは一長一短ですよね。大変なこともあるかもしれないけど、面白いと思います。あと韓ミュは公式グッズもめっちゃかわいい。最近はマスキングテープが流行ってて、ついつい買っちゃいます。今年買ったのだと、bareのポーチとかツボでした。モチーフがかわいくて。ポーチなんか何個もあっても困るだけなのに。

ーなんかグッズ作ってる人の「俺ら」感がすごいというか。オタク目線で欲しいものを提供してくれる感じがありますよね。

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*『bare』『ベンハー』の公式グッズたち

 

 ◆ おいでよ、韓ミュ沼

ーみけさん最近韓国語レベルがぐんぐん上がっててすごいですね。どうやって勉強してるんですか?

韓国語教室自体はかなり前に入ったんですよ。なんか気の良いおばさんがやってるやつ。でも3ヶ月とか半年に1回くらいしか行ってなくて。やっぱりミン・ウヒョクさんのファンになってからですね、真剣に勉強するようになったのは。とりあえずテキスト使って基礎から文法を覚えて、並行してミュージカルの歌詞を訳してたら、ある日突然「あっ!わかる」ってなりました。そこからは勉強するのが楽しくて仕方なくなって、韓国語で会話できる教室に通うようになりました。でも結局、覚えるのに一番役立つのはミュージカルの歌詞やセリフを訳すことだと思います。先生に聞いてみたんですよ。「好きなものばっかり訳してるんですけど、これって良いんですかね?」って。そしたら「それ楽しいんでしょ?楽しいなら続くからやった方がいいよ」って言われました。

ーですよねぇ。好きな曲だと確実に覚えられるし。自分でも口ずさんだりしますもんね。

「好き」って大きな原動力ですよね!まだハードル高いけど、いつかは演劇も観れるようになりたいなぁ。でもとにかく韓国ミュージカルの良いところって、何も考えなくても楽しめるところなんです。はじめて観た時、言葉がわからないぶん全身で感じて、言葉にできないような感動をもらったんですよ。純粋に「ミュージカルっていいな」って思えた。私みたいにただキャーキャー言うだけでも楽しいし、じっくり考察するタイプの人も楽しめるし、間口が広くて、深みもあるのが魅力ですよね。まず一歩踏み出すのが難しいジャンルではあるけど、すごく居心地の良い沼なのでみんなぜひ来てね(笑)

ーきれいなまとめをありがとうございます(笑)

 

その後、みけさんは無事『プロポーズできない男』を観ることができたようで本当に良かった!一回の観劇がもたらす力ってめちゃめちゃ大きい。仕事、頑張りましょう…。みけさんは思い立ったら渡韓!とか思い立ったら消しゴムハンコつくる!とか瞬発力がすごくて見習いたいです。絵を描いて、公開する(※重要)ために使う労力って多分周りが思うよりも大きいと、私も少しだけわかるので。またフランケンが始まったらみけさんの新しい作品が見られるんでしょうか。楽しみにしております!

こないだ今年の韓国フランケンキャストの紹介記事を書きましたので、併せてどうぞ!