Things I Didn't Know

ミュージカルが好き。歌とダンスと物語が好き。定期的にソウルへ行きます。

【韓ミュオタに色々聞いてみた】第1回 ノアさん編

こんにちは、私です。突然ですが、韓国ミュージカルって素晴らしいですよね。ライセンス・創作ともにジャンルも広いし、歌がうまくて魅力的な俳優さんがたくさんいて…。でも作品数も俳優の数も多すぎて、とても観たいものすべてを観ることなんてできません。なので、自分が観られなかったものを観ている方の話を聞くのが好きなんです。作品選びにも皆さんの感想がおおいに影響しますし。

海外ミュージカルファンの皆さんは、貪欲でアツい方が多くて楽しいです。やっぱりわざわざ言葉の壁があるなかでミュージカルを楽しもうとするっていうのは、それなりの情熱がないとできないんですよね。私も韓国語ビギナーなので、フォロイーさんとの情報交換はファン活動に欠かせないですし、皆さんが予習に取り組むところを見てるのが自分のモチベーションにもつながってます!

…ということで、そんなフォロイーさんに韓国ミュージカルについて色々聞いてみる企画を始めました。インタビューを通して私ももっと韓ミュを勉強して愛を深めていきたいし、同時に韓ミュに興味を持ってる方の参考にもなればいいなと思っております。 

 

◆今回インタビューした方 

【お名前】ノアさん 

twitterノア (@noahrosso2) | Twitter

【ブログ】海外ミュージカル&プレイが観たい!

【本陣(最推し俳優)】パク・ウンテさん 

【その他推し俳優】チ・チャンウクさん 

 【韓ミュ以外の好きジャンル】ヨーロッパ圏のミュージカル・演劇 

【初めての韓ミュ観劇】ヘアスプレー(2012年) 

【韓ミュ沼落ち作品】ジーザス・クライスト・スーパースター(2015年)  

ノアさんは私が観劇にハマったばかりで四季に通っていたときからの相互フォロワーさんです。海外のミュージカルにハマり始めた時期も同じで、実は初めて実際にお会いしたのはブロードウェイ。そして初めて韓国に行った時期も韓ミュ沼落ちした作品も一緒だという。観る作品が被ってることも多いので、色々と情報共有させていただいてます。そんなノアさんに、改めて韓ミュについて聞いてみました! 

 

◆きっかけは友達の「行かな知らんで?」

—まず、初めて韓国ミュージカルを観た時のこと教えてもらえますか? 

当時は英語圏のミュージカルをメインに観てて、年に2、3回ロンドンなどに行ってました。初めての渡韓は、2012年の来韓ウィキッド(※2012年5月〜10月、オリジナルプロダクションのアジアツアー)を観るためでした。韓ミュについての知識は本当にゼロで。ついでだし…ってことでその時やってる公演を調べて、内容のわかるヘアスプレーの韓国版を観に行ったんですけど、まぁそこまで印象も強くはなく。韓ミュに興味を持つほどではなかったですね。 

—じゃ、その次に韓国に行ったのは? 

初渡韓から3年経って、2015年2月のホン・グァンホさんのコンサートです。これ、沼の入口でしたね。2015年のお正月にロンドンの『ミス・サイゴン』でトゥイ役のホン・グァンホさんを観て。(※グァンホさんは映像化した25周年記念公演でもトゥイ役を演じておられる方です)「あ、これはヤバいわ」ってなって。YouTubeで〈This is the Moment〉歌ってる動画(動画リンク)も観て、「なんじゃこの人」ってなって。それでコンサートを観るためにソウルへ行くことになりました。その時についでに『ジキル&ハイド』と『スリルミー』も観てます。ジキハイはチョ・スンウさんで観たんですけど、今思うとこの時トリプルキャストにウンテさんもいたんですよね…ウンテさん回を観なかったの、人生最大のミスでした…。 

—めっちゃわかる。悔しいですよね、そういうニアミス。 

それでもこの時は沼ってほどじゃなくて。「また韓国行きたい!」とかそういう感じじゃなかったですね。ツイッター見返すと「グァンホさんのコンサートとスリルミーあと100回ずつ観たい」って書いてるけど(笑)ロンドンとかウィーンとか、他のジャンルも忙しかったし。 

—ノアさんの沼落ちは、その半年後くらいですよね。 

そう。『ジーザス・クライスト・スーパースター(JCS)』です。(※2015年6月〜9月。ジーザス役にパク・ウンテさん、ユダ役にユン・ヒョンリョルさんなど)最初から気になってはいたんだけど、ウィーンのJCS観に行ったり、日本でも観たいのがあったりと忙しくなってきて、もう見送ろうかなと思ってて。そもそも私JCSが大好きで今までに各国合わせて9プロダクション+映像版で3バージョンを観てるんですけど、やっぱり英語版が好きだし、わざわざ言葉のわからない韓国版を観なくてもいいかなーと。先に観たフォロワーさんたちに熱心に薦められて動画も観たけど、さほど興味が向かなかったんですよね。ウンテさんの〈ゲッセマネ〉のMV(動画リンク)にも、正直「あまり好みじゃないな」と思ってました。 

—なのに結局渡韓したのはなんでですか?  

友人Mのせいです。Mっていつもは観劇で散財する私をたしなめる役で。ロンドンだのウィーンだの、ホイホイ飛び回る私に対して「あんたええ加減にしいや」「やめときや、知らんで?」って言ってくる係だったんですよ。そのMが、先に韓国JCSを観て「ノアさん、これは観なあかんやつ。行かな知らんで?」って言ってくるんですよ!Mがこんなこと言ってくるの初めてだったんで、びっくりしました。それでさすがにこれは行かないといけないと思って、マッコン(※千秋楽)週に滑り込み渡韓。3回JCSを観て、見事にハマりました。ウンテさんもだし、ユダ役のキャストもみんな良かったし、全体的にめっちゃ良かったし。それで「これはあかん」と。マッコンだったんで「もう観れないなんてありえない」ってなっちゃって、急遽翌週の地方公演にも行くことに。航空券取ったのが前日で、しかも連休だったからアホみたいに高かったんですけど。そこで4回観ましたね。 

—そこからパク・ウンテさんのファンになり、ウンテさん中心に動く日々が始まったわけですよね。ウンテさんの魅力ってどこだと思いますか? 

どこって言われたらまぁ、全部ですけど!正直自分でもなぜこんなに好きなのかわからないんですよね。だってもともと顔も声も好みのタイプじゃなかったし。今までの私の贔屓俳優を知ってる友達は皆「ノアさんのタイプじゃないやん」って言いますね。本当に今でもずっと謎なんですけど、何かあるんですよね。わからないけど猛烈に行動力をともなわせる何かが。韓ミュには他にも魅力的な人いっぱいいるけど、基本はウンテさんを観るために飛んでます。特に初日とマッコンは必ず行くようにしてます。 

 

◆“汁気の多さ”が韓国ミュージカルの魅力 

—『JCS』のあとは『フランケンシュタイン』がありましたよね。 

(※2015年12月〜2016年3月の再演版。パク・ウンテさんは初演に引き続きアンリ/怪物役で出演)

フランケンは創作ミュージカルだし、その時点では何一つ韓国語がわからなかったんですけど、とりあえずウンテさんが出るから観ないと!と思って最初は全然わからないまま観ました。そしたら作品自体にドはまりして、結局4ヶ月の公演期間中に21回観ましたね。今は自制を覚えたけど、その時はハマりたての勢いがあってほとんどVIP席(※一番値段の高い席種)で観てたから、かけた金額を考えると恐ろしい。あと、ウンテさんのために飛んだのに直前で体調不良のためキャスト変更になったことがあって。当日のキャストボードにはウンテさんの写真が出てたのに、15分前になって変更のアナウンス…。このことがショックでちょっとおかしくなって、復活してからマッコンまでは3週連続で飛びました。

 —『フランケンシュタイン』の魅力ってどんなところだと思います? 

毎回全然違うものが観られるところ!トリプルキャストそれぞれ全然違うし、組み合わせによっても変わるし、色々と観て来てるけどあんなに回によって違うというのは初めてでした。だから1回でも多く観ないと…ってつい思ってしまうんですよね。ウンテさんはもちろんサイコーだけど他のキャストも皆好きになってしまって、21回中の半分くらいはウンテさん以外の2人で観ましたよ。あとキャストが1回1回に注ぐ熱量がすごいところ。1人で週8回やるわけじゃなくて、トリプルキャストだから力の配分を考えることなく1回に全力を注ぎ込めるのかなぁ…?韓国ミュージカルは全体的に、キャストのエネルギーが凄いところが魅力だと思います。 

—なんていうか、全体的に汁気が多いですよね。 

そう!ウンテさんの好きなところもそこなんです!汗とか涙とか鼻水とか色んな液体を惜しむことなく流しながら、役に入り込んで全力で演技してて。俳優が泣くとお客さんが冷めるからあまり泣かない方がいいなんて話も聞いたことあるんですけど、私は泣きの演技に引き込まれるタイプなんですよね。泣きの演技って難しいし、すごくエネルギーがいると思うから、それをあんなに毎回できるのって凄いなと思って。ウンテさんって、マチソワ出演の時はマチネの方がより力が入ってる感じがするんですよ。普通はソワレのためにマチネではセーブすることが多いと思うんですけど。ウンテさんはセーブとか考えずにマチネから全力出すから、夜は少し疲れているのかも?私の印象ですけどね。 

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【左上】ロンドンでグァンホトゥイを観た時のキャストボード

【右上】『フランケンシュタイン』のウンテアンリ

【左下】熱に浮かされて急遽飛んだJCS地方公演

【右下】チ・チャンウクさん沼に落ちた『あの日々』キャストボード

 

◆言語の壁、どうしてる? 

—韓国語の勉強を始めたのはいつ頃ですか? 

フランケンにハマったあたりからやっと始めました。それまでは本当にハングルも全然読めなくて。少しずつ台詞とか歌詞を覚えていって、観劇を重ねるたびに理解が深まっていったのもチケットが増えた理由かも。ライセンスものなら頭の中で英語か日本語に変換できるから特に韓国語を理解する必要もなかったし、フランケンが創作ものだったからやっと勉強を始めたって感じですね。 

—普段、予習ってどうしてます? 

ライセンスものなら英語のスクリプトを読んだり、創作ものなら歌詞を探したり、あらすじを読んだり…。基本、あらすじをざっくりわかっていればいいかなっていうタイプなので。ウンテさんの出る作品に限っては細かい台詞まで覚えようと必死になりますけど。予習は検索力が大事ですね。語彙力より検索力でなんとかしてます。でもそうやって歌詞やスクリプト読んでれば韓国語が上達するだろうと思ってたけど、そうでもなくて。なので今年、本格的に勉強を始めました。夏は結構観劇が落ち着いてたんで、自分で韓国語集中講座やろう!ってテキスト用意して。文法とか基礎からしっかりやり出して、もっと早くやっておけばよかったと思ってます。半年くらい前から韓国語教室にも通い出したんですけど、やっぱり独学でやるのとは全然違う。やっぱり基礎って大事ですね。頑張って続けたいです。 

 

◆2017年のソウル観劇どうだった? 

—今年良かった作品って何ですか? 

ウンテさん出演作で言うとマディソン郡の橋。まずジェイソン・ロバート・ブラウンの音楽が大好きだったし、大劇場作品だけど小劇場のような細かい演技が良かった。歌唱力で押すよりは、行間を読むことを楽しむ作品というか。ウンテさんとオク・ジュヒョンさん(※『エリザベート』や『マタハリ』でもタイトルロールを務める、韓国を代表する女性俳優さん)のワンキャストで、あの2人でしかつくれない濃厚な空気感がすごかったですね。演出も良かったし、これもかなり通いました。 

—ウンテさん出演作以外では? 

ホン・グァンホさん主演の『シラノ』!これが2017年ベスト。何もかもが良かった!日本でもやってたけど観たことなかったし、簡単なあらすじを読んだだけで観劇したので細かいところは全然わからなかったんですけど、ものすごく感動しました。容姿にコンプレックスのある男が一人の女性を思い続けるっていう切ないストーリーなんですけど、音楽のドラマチックさとグァンホさんの歌がすごくて、なんかわからんけどめっちゃ泣かされました。たまたま観た回がマッコンだったというのもあるかもしれないけど、グァンホさんが凄い迫力で。言葉がわからないのに歌でこんなに心を動かされるなんてミュージカルってすごいなと、ミュージカルを初めて好きになった時の感覚を思い出して、原点に戻れた感じでしたね。もしウンテさんが今後シラノやったらもっとやばいかも。いつか絶対やって欲しい!やってくれると思うねん。ここ書いといて。 

—……書いときます。 

初めて観たのは2016年なんですけど、創作ミュージカル『あの日々』も。(※韓国のフォークソング歌手キム・グァンソクのジュークボックス・ミュージカル。大統領府の警護員2人の友情が描かれた作品。)創作ものだし理解できるかなぁと不安だったんですけど、評判が良かったんで簡単なあらすじだけ読んでチャレンジ。これ観て改めて「韓国の創作ミュージカルやばい!」ってなりました。おおまかなストーリーしかわからない状態で、かつ3階席だったのに、観劇人生で一番というくらい泣きました。なんでこんなに泣いてるのか自分でもわからない…って感じ。音楽も良いし、主役2人のキャラクターがすごい良くて。フランケンでビクターをやっていたユ・ジュンサンさん目当てで観たんですけど、相方役のチ・チャンウクさんにドはまり。2人ともオリジナルキャストだったので、本当に役にハマっていてリアルな世界が繰り広げられてて。この2人が創り上げた作品なんだろうって気がしました。チ・チャンウクさんがテレビドラマで活躍する人気俳優だってことはあとから知って、だからこの回はチケットが取りにくかったのかと。チャラいけど決めるとこは決めるムヨン役がかっこよすぎて、もう全てにおいてやばかった。 

—ノアさんって、愛の方向性がおかしい時ありますよね。私的にノアさんの2017年ベスト・オブ・奇行は折り紙です。 

馬の折り紙ね。ウンテさんが『ベンハー』に出ることが発表されてめっちゃテンション上がって。暇だったから『ベンハー』に出て来る馬を折り紙で作ったんですよね。それも超難易度の高いやつで、1匹折るのに2時間もかけたのに特に達成感とかなかった…。 

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ノアさんが2時間かけたのは真ん中の茶色いやつ。別のフォロワーさんに「ベンハーの馬は白馬」と突っ込まれてショックを受けていたノアさん。 

 

◆ソウル観劇のすすめ 

—韓国ミュージカル界の好きなとこってどんなとこですか? 

とにかく一度にやってる作品数が多くて、新作を次々と出してくるところ。ライセンスにしても創作にしても「とりあえず色んなことやってみよう」っていう勢いがすごい。今年は創作が多かったような気がしますね。ライセンスもただ借りてくるだけじゃなく独自のアレンジを加えてるものが多くて。2016年秋に演劇『ハムレット』を観たんですけど、ロンドンだとここまでの改変は絶対許されないだろうなってくらいオリジナル設定が追加されてて。台詞もかなり変わってたし、流れは一緒なんだけど全然違いました。でもハムレットとオフィーリアの関係性も納得がいくものだったし、他のキャラクターの設定も良くて。ロンドンでも何度も観てる作品だからこそ「こんな風に変えるの!?」という驚きがあってすっごく面白かったですね。 

あとはチケットシステムが最高に便利なところ。キャンセル料が安いから、ギリギリでの予定変更もしやすいし。(※チケットサイト最大手「インターパーク」のキャンセル料は公演10日前まで約400円程度、前日まで10〜50%でキャンセル可能)チラシやトレーラーなどビジュアルのセンスが良いところも!韓ミュは動画が豊富なのが良いところだけど、動画だけでは魅力は絶対に伝わらないと思います。最初にウンテさんのことがあったから、私は動画をまったくあてにしてないです。だから気になってる人がいたら、とりあえず一度生で観て!って思いますね。 

—ミュージカル以外で渡韓の楽しみってあります? 

半分はご飯を楽しみに行ってるようなものです。焼肉もだし、ソルロンタンとかコムタンとかのスープ系が大好き。ご飯安いし、美味しいしサイコーですよ。 

—来年のラインナップで注目してる作品あります? 

やっぱり渡韓は推し次第なので、ウンテさんが出そうな『ジキル&ハイド』(11月開幕予定)。これは絶対出るはず!私これまで何回も予想外してきてるけど…。あとはやっぱり『マチルダ』(2018年9月9日〜2019年2月10日予定)かなぁ。エリザベート(2018年11月〜2019年2月予定)も絶対観たいです。前回観れなかったんですけど、ウィーン版を観た人たちも「ウィーン版より好き」って絶賛してたから。でも、ウンテさんのため以外の渡韓は控えようと思って。2017年は16回飛んだんですけど、2018年は12回に抑えるのが目標です!あ、でももしジキハイにウンテさんとグァンホさんが両方キャスティングされたら12回は絶対無理!私の財政は破綻する!やばい!

 —落ち着いて!まだわかりませんし!破綻は回避しましょうね。来年も色々と大作が発表されてるし、今後のウンテさんの動向が楽しみですね。ノアさん、ありがとうございました!

 

★ということで、ノアさんに色々聞いてみました。一人の俳優さんに絞って観まくってるノアさん。台詞を細かく調べることもあるけど、なにより音楽や歌から受け取るものを大切にしているんだなぁと興味深かったです。「良い!」っていう感覚を信じて突っ走るその姿がすてきなのでそのままでいて欲しいけど、昔金欠で車売ったりもされてたんで真っ当な生活できるレベルでオタ活を続けて貰いたいですね!