Things I Didn't Know

BTSと韓国ミュージカルが好きです。

【観劇レポ】韓国ミュージカル「ベンハー」予習+前置き編

★韓国創作ミュージカル「ベン・ハー」を観てきました。 

 

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脚本・演出はワン・ヨンボム氏、作曲・音楽監督はイ・ソンジュン氏というフランケンシュタインコンビによる新作ミュージカルです。キャストもフランケン組がたくさん。私は韓国ミュージカル俳優さんの中でも、2015年フランケンシュタインにてアンリ/怪物役でデビューしたチェ・ウヒョクさんが好きなので、キャストが決まってからは一層楽しみにしてきました。 

問題は完全新作のため内容がわからないということ。映画・原作小説で予習し、事前に中継されたショーケースで披露された曲の歌詞は訳して行きましたが、わからないところが多く、想像で補完してるとこだらけです。それでも基本は映画がベースなので、今の時点で理解度7割といったとこでしょうか…。台詞は観劇後に調べてわかったところもかなりありますが、結構ニュアンスで拾ってるので、間違えてるところもあると思います。その点をご了承いただいたうえで読んでいただけると幸いです。
あとチェ・ウヒョクさんがライバルのメッセラ役なので、主役ベン・ハーよりもメッセラ中心に観ています。私の中でこの作品は「ミュージカル〈メッセラ〉」なので、だいぶ偏ってますがご容赦ください。 

 

 

■公演情報 

◎プレビュー公演…2017年8月24日(木)~8月27日(日) 
◎本公演…2017年8月29日(火)~10月29日(日) 
◎会場…忠武アートセンター大劇場 

http://ticket.interpark.com/Ticket/Goods/TPBridge.asp?GoodsCode=17008577

 

■メインキャスト 

◎ユダ・ベン・ハー役…ユ・ジュンサン、パク・ウンテ、カイ 
◎メッセラ役…パク・ミンソン、ミン・ウヒョク、チェ・ウヒョク 
エスター役…アン・シハ、アイビー
◎クィントス/ナム・ギョンウプ、イ・ヒジョン
◎ピラト役/イ・ジョンス
◎ミリアム役/ソ・ジヨン
◎ティルザ役/クァク・ナユン
◎シモニデス役/キム・ソンギ
◎ティト役:ソ・ハングク

 

■関連映像

【公式映像】オフィシャルトレーラー

【公式映像】オフィシャルトレーラー(舞台映像ver.)

【インタビュー映像】ユダ役、メッセラ役 

 

【舞台映像】カイ、チェ・ウヒョク(ウォン・ジョンウォンの熱い視線)

【舞台映像】カイ、チェ・ウヒョク(ムービー&カルチャーレッドカーペット)

【舞台映像】カイ、パク・ミンソン(文化思索)

 

【FBライブ映像】チケッティング企画(ミン・ウヒョク、チェ・ウヒョク)

※俳優本人を発売初日のチケッティングに参戦させ、その様子をライブ配信するという斬新企画…!チケ取りにあたふたするWウヒョクがめっちゃかわいい。もたもたしてるうちに良い席はすべて無くなり、「2人が取ったチケットをプレゼント」という企画は無かったことに。「僕ら"一般"でいいの?俳優なのに?」とか言ってる様子がかわいすぎます。

 

■予習材料について 

 

【1】ルー・ウォーレスの原作小説

単行本で600ページ弱。1880年に出た小説です。大衆小説なので、小難しいことはなく読みやすい文体ですので、少し深めて予習したい方は読んでもいいかもしれません。イエス・キリストに関する部分が多く、100ページくらいまで進んでようやくベン・ハーが登場します。戦車競技後の部分のベン・ハーのキリストへの心情の変化が詳しく描かれていて、ミュージカル版もそのあたりは小説版をベースにしていると思われるので、そこだけでも読んでおけばより理解できる部分は増えるかと思います。色々とキャラクターの設定が映画とは違い、メッセラが救いようのないクソ野郎です。でもユダのやってることも「ええ…?」って思うところがあって、なんか好きになれないんですよね。映画版は上手く脚色したんだなって感じです!

 

 

 

【2】映画(1959年版) 

あまりにも有名なハリウッド映画。実際に舞台を観た結果、これさえ観ておけば十分だと思いました。ミュージカル版のベースはこの映画なので、これを押さえておいたら大筋は掴めます。4時間くらいある映画ですが、60年近く前の作品だとは思えないくらい迫力があって本当に面白かったです。これまで観たことがなかったので、この機会に出会えて良かった。元の小説含め、結構雑な展開があったりはするのですが、何をおいてもスティーブン・ボイドのメッセラが「悪役」としてすっごく魅力的で、大好きです。BD特典のオーディオコメンタリーで聴いた、ボイドが茶色いコンタクトをつけて撮影していたというエピソードが印象的でした。ボイドは元々青い瞳なのですが、ベン・ハーが青い瞳だったため、民族の違いを強調するためにそうしたようです。当時のコンタクトなので、装着すると手元がほとんど見えなかったり、瞳を傷つけてしまって数日間撮影中断していたそうなのですが、それでもその部分にこだわったというのがすごいなと。それから、下のまとめにも書いてるのですが59年版映画にはとある裏設定があり、それが撮影時にはボイドだけに告げられていたとか。この設定を意識して見ると、メッセラへの印象が随分変わってくると思います。

 

 

 

【3】映画(2016年版) 

こっちは2時間くらいの映画。59年版に親しんだ方には受け入れられなかったようで、酷評を受け125億もの大赤字だったそうです。日本でも劇場公開されていません。上映時間が短いこともあって、かなり戦車競技に寄った内容になっています。個人的には、59年版を先に観ていなければもう少し楽しめたかなぁという感じでした。独自の設定を加えて、ユダとメッセラが決裂に至った過程を丁寧に描いています。結末も大きく変わるなど、違う部分が多いので、こっちだけを観てしまうと逆に混乱を招くかもしれません。ミュージカル版は2014年に製作が始まっているので、影響があったのかどうかは不明ですが、メッセラの設定についてはこの映画と同じ部分もあります。ストーリーの整合性はこちらの方があるし、好きな設定も多いのに、すべてが軽い印象なんですよね。どうしても先のバージョンと比べられてしまうのは、ちょっと気の毒ですね…。 

 

 

★それぞれでのメッセラの設定についてまとめたメモを置いておきます。観劇前に作ったものです。

 

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[8月26日(土)昼公演]

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◆ユダ・ベン・ハー役/パク・ウンテ
◆メッセラ役/パク・ミンソン
エスター役/アイビー

[8月26日(土)夜公演]

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◆ユダ・ベン・ハー役/カイ
◆メッセラ役/チェ・ウヒョク
エスター役/アイビー

 

★今回のポイントをまとめるとこんな感じ。

◎脚本は配分的に少し疑問点はあるものの、59年版映画をベースに脚色を加え、現代に響くメッセージを伝えているところが素晴らしい。やっぱりワン・ヨンボム氏には一生ついてく。
◎イ・ソンジュン氏の書く曲はやっぱり最高に美しい。全曲良い。ただし、今回比較的歌は少なめ。
◎派手な映像と舞台装置で迫力のある舞台。アンサンブルは男性のみで、殺陣や群舞など大活躍。
◎皆めっちゃ脱ぐ。
◎メッセラは悪役として5000兆点。

 
ということで、まずは作品全体の部分をメインに書いていきます。